【開催レポート】 (9/8)文京ミ・ラ・イ対話第2セッション「家庭を支えるご近所力~家族構成の変化に対応するには~」


9月8日、文京ミ・ラ・イ対話の第2セッションとして、「家庭を支えるご近所力~家族構成の変化に対応するには」を開催しました。
文京ミ・ラ・イ対話は、年間を通して「地域課題を知る」「解決策を考える」「解決策を深める」という3つのセッションで議論を深めていきます。今回の第2セッションでは、第1セッション「地域課題を知る」で見えてきた課題に対して、「解決策を考える」ことを目的に対話を行いました。
当日は、区内外から16名の方が参加し、「家庭を支えるご近所力」をテーマに、先駆的な事例の紹介を聞いた後、テーブル毎に、それぞれの参加者の目線で捉えた地域課題を共有し、その課題に対する解決策のアイデアを出し合いながら、対話を進めました。

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当日のプログラムは次のとおりです。

1.イントロダクション
・第2セッションの目的の確認
・第1セッション「課題を知る」のふりかえり
・地域課題について、グループ別にフリートーク
2・課題解決の取り組み事例の紹介
第1セッションで挙げられた課題に対する解決策の例として、先行事例を事務局より紹介
3.対話「解決策を考え、地域ニーズを考える」
自分の関心を持った課題に対して、「目指すべき地域の姿」はどのようなものか、それぞれに考えた解決策を、グループメンバーでの対話を通して深める。
4.まとめ
解決策を全体共有したのち、プチアイデアコンテスト
(各人が気に入ったアイデアに投票)

1.イントロダクション

開会に当たり、まず文京区の境野協働推進担当課長から挨拶を行った後、事務局の広石(㈱エンパブリック)より、第2セッションの狙いと第1セッションで見えてきた課題の共有を行いました。

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今回の第2セッションは、課題解決アイデアを考え、グループで対話をする中で、「課題解決に対する様々な考え方」や「事業を具体化するためは求められる要素があること」を理解することが目的となります。
7月に実施した第1セッションでは、「子育て・教育・防犯」と「介護・安心・健康」の2つのチームに分かれ、対話をしました。その中でいくつかの課題が浮き彫りになりました。事務局ではこれらの課題を見えてきた地域課題として「お互いに知り合う・つながるきっかけづくり」「お互いに支えあう仕組みづくり」「社会参加の仕組づくり」「将来を描くための情報を知らせる」といったカテゴリーでまとめました。
(詳細はこちら  「文京ミ・ラ・イ対話 第1セッションから見えてきた課題」)

これらの課題を共有した上で、今回の対話に参加した方の自己紹介を兼ねて、テーブル毎に、自分の考える家庭を支えるご近所力の地域課題についてフリートークしました。今回は、学生さんや小さなお子さんを抱っこした若いお母さん、コミュニティカフェや地域で空手教室を経営されている方、さらには80歳のご高齢の方まで、年齢層も実に幅広く、多様な方々にお集まりいただきました。そのため、挙げていただいた課題も、多様で、それぞれ立場に立った問題意識を共有することができました。

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  2・課題解決の取り組み事例の紹介

テーブル毎のフリートークが盛り上がった後、「家庭を支えるご近所力」に関連した他地域における選考事例の紹介を行いました。子育てから、若者支援、新しい概念のシェアハウス、地域交流の仕掛けづくり等を行う様々な事例を紹介しました。地域防災のためには、ご近所同士の繋がりづくりが必要だが、防災のためだけでは人は繋がらないので、そのための仕掛けが必要といった説明などに参加者は興味深く耳を傾けていました。
(紹介した事例は、こちらを参照ください)

 3.対話「解決策を考え、地域ニーズを考える」

事例紹介に続いて、再びテーブル毎の対話を行いました。まず個人ワークとして、「アイデアを考える~課題解決のためにやってみたいこと」をテーマに、それぞれの参加者が捉えた「地域課題」と、その課題にアプローチするアイデアを、ワークシートに記入していきました。
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その後、各テーブルのファシリテータの進行の下に、お互いの課題や解決策のアイデアを紹介し合いディスカッションしました。発表されたアイデアに対して、各テーブルで「自分ならもっとこうしてもらいたい」「他の地域ではこんな風にして成功している」などの意見が出され、各人のアイデアを基に、解決策がどんどん膨らんでいきました。

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◆参加者より提案された地域課題と解決策(一部抜粋)◆

1)子育て関連の課題

□テーマ「子育て世代が集う場づくり」

【課題】
・共働き世代・乳幼児のいる家庭の夕方の時間の過ごし方が課題。夕方は母子共に疲れていながら、家事もたまっている大変な時間帯なので、この時間帯へのフォローがあると助かる。
【解決策】
・子供を預けるだけでなく、母子共に集うことができる場所があるとよい。毎日頼るのではなく、そこに行くと、自分でごはん作らなくてよく、誰かと話ができる場所。そんな母子共に居てよい場所があれば、日常生活ががらりと変わる。
【テーブルでの対話】
・文京区は学生が多い。将来子育てに関わる学生を巻き込んで、子育てサポートの仕組みをつくることができるのではないか?
・子育てのアドバイスをしてくれるところは多い。すごく助かるが、それとは違う意味で「子育て頑張ってるね」「子育て大変でしょう?」「でも子どもはかわいいよね」といった共感が得られる場所こそ母親には必要だと思う。

□テーマ「産後まもないお母さんをケアする場づくり」

【課題】
・生後二か月くらいの子を持つ母親が外出するきっかけの場所を提供したい
・子育てスタートアップ期のお母さんをサポートしたい
【解決】
・2~6か月の母親が家に閉じこもらないために、また子育ての不安を軽減するために、場所を決めて自由に出入りできる状態にする。
【テーブルでの対話】
・お子さんのいる母親の引きこもり問題を切り開くコミュニケーションが求められている。
・実際にあるネットワークは母親同士(当事者同士)の集まりがほとんどで、外部とのつながりがない
・声なき人々のニーズをどう組み取るかがいつも課題となる。例えばファミリーサポートは良いサービスだが、手続きが大変。もっと気楽に出入りできるようなかたちがあれば助かる。
・一方で、プライバシーの問題もあるので、簡単に手を出してよい問題でもないと思う。やるにはリスクが伴うため、その責任を引き受ける立場が求められる。それをだれが担い、いかに心理的ハードルを下げるのかは、実施に向けての大きな課題である。

 2)住民相互のつながりを巡る課題

□テーマ「地域内での関係づくりと距離感の問題」

【課題】
地域内で、10、20、30年後を想像した人々の関係づくりが課題。
【解決策】
地域の人々のつながりを生み出すために、様々なコミュニティをつくる。そこで、知り合い以上友達未満な人間関係(「奇妙」な関係)を生み出していく。
【テーブルでの対話】
・当事者同士だけが集まらないのが大事だと思う。当事者ではない人々が絡むことで、拡がりや活性化に繋がる。
・「気が合う人」同志である必要はない。「知り合い以上友達未満」の関係性は理想で、狭い範囲で、濃密な人付き合いはせず、距離感を保つことも大事である。
・地域や区を単位として、テーマごとにコミュニケーションできるチャンスを提供することもできるのではないか。その一方でそれを実現するためには、有能なコーディネーターが必要になってくる。
・「やりたいよね、問題だよね、動きたいよね」と言っている人を、まずなんとか一歩動きだしてもらうことが大事である。

□テーマ「新規転入者と地域との接点づくり」

【課題】
・新規の転入者に対して受け入れる姿勢があまりない。
【解決策】
・町会や自治会活動が見えるようにする。
・(町会や自治会単位ではなく)さらに大きな地域としての枠組みで人間関係をつくっていく。
【テーブルでの対話】
・転入者の当事者としての悩みは多様なのでフォローできる仕組みが必要である。
・地域の関係づくりでは、「距離感」の度合いが難しい。例えば、若い単身世帯は(自分もそうだったが)地域社会との関わりを求めておらず、放っておいてほしい人もいる。
・見知らぬ他者への警戒心が高まっている中で、いかにして他人との関係を作るかはこれからの課題である。
・町会で区報を回す係りを二年間やって、地域の仕組みがわかり始めた。何かやることで地域が見えてくる。
・町会活動は地域毎で閉鎖的に思う。区域を超えた関係づくりが必要なのでは?
・文京区では二世帯同居が少なく、親子が近隣に住むことが多い。この場合、子育てするには恵まれているが、転入者やこのような環境にない人へのサポートが少ないのではないか?
・町会には新しい人が入りやすいような配慮がほしい。

3)高齢者を巡る課題

□テーマ「高齢者同士が交流できる場づくり」

【課題】
・高齢者同士の交流と助け合い(独り暮らしの方)への対応が必要
・引きこもりがちな単身高齢者など孤立している人は、自分からネットワークに入ることができないので、知り合うきっかけづくりが求められる。
【解決策】
事例紹介にもあったコレクティブハウス事業がよいと思う。カフェや共同の仕事場など地域との交流に開かれたコレクティブハウスで高齢者同士の交流と助け合いの関係づくりを促す。
【テーブルでの対話】
・昔のように公民館などに集まっていたような状況を戻せないのか?お金をかけなくても実施できる方法を考えたい。
・幅広い世代を超えて、皆が関心を持つようなコンテンツ(例えば将棋のようなもの)が、現在では少ないのではないか?
・高齢者の生きがいは人との交流にあると思う。

4.まとめ

本日のテーブル毎の議論を全体で共有するまとめの時間を設けました。
上記3にまとめた解決策のアイデアを、グループでのディスカッションを反映した形で各人がブラッシュアップしてワークシートに記入したものを貼り出し、いくつかのアイデアについては提案者にポイントの説明をしていただきました。その後、全員で「共感した、必要性を感じるアイデア」に投票しました。

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投票の結果、以下のアイデアに高い共感が集まりました。
全体としては、場づくりに関するアイデアが多かったように思われます。コミュニティづくりのための場は求められているものの、場所の問題や事業として成り立つか等実現に向けた課題があることも共有しました。

□地域の人々が集う「場」の具体的なイメージ

・カフェ:立ち寄りやすく、誰でも入れる気軽な場所
・情報提供:「来ればほしい情報が得られる」場所
・保育:保育士がいて、育児中の親が一息つける場所
・多世代交流:世代を超えて知り合える場所
・さまざまな切り口で人が集まる:興味関心(映画、アロマ、読書…)が合う知り合いを作れる場所
・コーディネーター:人と人をつなぐコーディネーターがいる場所

 □人々が交流するために…コミュニティの核となるコンテンツが必要

・コミュニティの核となるコンテンツが必要
・情報伝達手段の整備:区報を読む人はまちまちなので、新しい情報伝達手段を整備する。
・町会の再生もしくは一部機能の活用
・コミュニティ実現の場所の提供(→場所さえあれば、すぐにでも取り組める用意がある)
・文京区の父親は、勤務先が近いことが多いので育児に参加している
・まず場があって、そこから動く可能性もある

 □子育て世帯の元気を取り戻す

・アドバイスではなく共感しあう場がほしい
・晩ごはんサークル(月1回くらい)でも、助かる子育てママは多い。
・体力的精神的に疲れたときに、ちょっと子どもを抱っこしてもらえる場所
・「そのままでいい」と言ってもらえる場所こそ必要
・長時間労働に従事する子育て世帯を対象に、保育園等の土日や夜間の空き時間を利用してご近所限定で町会の子供預かりサービスを行う

 □声かけからはじめる

・まずは小さなエリアからでも勇気を出して声かけしてみる
・町会をよく知っている人とつながる。マンションの人たちとお話できる場づくりをする

今回のセッションでは、参加した方々がそれぞれの立場や目線による、地域課題や解決策が多数出ました。
アンケートの中には、「動く人がいればすべて実現可能なことだと思った」「今日のつながりを何らかのかたちで具体化したい」といった意見も多数いただき、課題への取り組みに向けて、より具体的なイメージが培われたのではないかと思います。また「自分が小さい頃、地域課題の担い手は町会だった」と既存の仕組みを再活用しようというご意見や、「老若男女が意見を交わす場がもっと必要」といった意見もいただきました。

文京ミ・ラ・イ対話の第2セッションは、9/18に「スポーツから始めるコミュニティづくり」、9/20に「まちの資源を活かした地域ブランディング」のテーマでも開催しました。
今後、文京ミ・ラ・イ対話は、文京社会起業講座や事業構築支援での議論と試行を経て、来年1月の第3セッション「解決策を深める」で、区民の皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

【参加者の方の様子】

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N=12 (アンケート回答者)

【参加者の方の今後やりたい活動】 (アンケート回答者 12名)

【参加者の方の声】
・みなさんの思いに共感しました。アクションにつながること(文京区にとっても私にとっても)を期待したいと思います
・老若男女を問わず、意見を交換する事、この活動を続けることが課題解決につながると思う
・具体的に町会活動をしている人の意見が非常に参考になりました
・でてきた解決策は、おそらく「動く人」がいれば全て実現可能なことだと思いました。「何かしたい人」とうまくつなげる仕組みもあると良いなと思いました

◇文京ミ・ラ・イ対話 第2セッション「スポーツから始まるコミュニティづくり」
9月18日(水)18:45~21:00 レポートはこちら

◇文京ミ・ラ・イ対話 第2セッション「まちの資源を活かした地域ブランディング」
9月20日(金)18:45~21:00 レポートはこちら

 

 

 


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