【開催レポート】文京社会起業アクション・ラーニング講座


第1回「思いを事業にするプロセスを学ぶ」(10/2)

今年も文京社会起業アクション・ラーニング講座が始まりました。最初のテーマは「思いを事業にするプロセスを学ぶ」です。新しい活動や事業を始める時は、周りの人たちの力をうまく借り、協力を引き出すことが大切です。また、自分で解決するだけでなく、社会資源と困っている対象者を結び付けて行動を変えていくことが重要でます。本講座では、アクションや実践を通じて、それらのことを学んでいきます。
今年度は、日曜日の開催としたため、比較的若手のビジネスマンやお子さんのいる方など、過去の講座では見られなかった方にご参加いただきました。また、共働き家族のつながりづくりや、高齢者の方のケア、料理によるつながりづくり、古民家活用など、より具体的なイメージを持った方の受講が多く、どの事業も実現性の高さを感じました。事務局としても、これまでの受講生や地域の方など、紹介したい方が次々に思い浮かび、3年間プロジェクトを実施してきたことによるソーシャルキャピタルの蓄積に、改めて気づきました。
文京社会起業アクション・ラーニング講座の最大のポイントは、同じステージである受講生同士のつながりが生まれることです。個人の事業や活動を推進していくことも大切ですが、相互に助け合うようなつながりがここから生まれることが期待されます。

〔受講生の声(振り返り)〕
・「社会起業」とは社会課題を解決するものと思っていましたが、それ以外にも「社会資源を使って」というコンセプトがあることを知らず、地域ネットワークの重要性に気づかされました。
・参加者の方々がそれぞれ色々なテーマ・目的を持って参加されているので、刺激を受けました。一人で悶々と考えていたのが、途中段階でも言葉にだしていくことで、具体化に近づくと感じました。
・他の参加者の方々の話を聞きながら、コラボできそうな話や参考にできそうな内容など、非常に刺激になりました。

 

第2回 地域課題の解決策を考える(10/30)

第2回目のアクション・ラーニング講座の冒頭では、カーンアカデミーのTEDのビデオから、対象者の設定のユニークさ、教材をオープンにしたことによる共感者の拡大など社会起業のヒントの紹介がありました。
第2回の講座では、まずは、「社会課題」とは何かについて考えました。個人的に感じている社会課題にも、共通の背景があり、それが現状、個人で解決できないこととなっていれば、それが社会課題となります。
そこを見極めて、その状況に対して、ユニークな切り口で問いを投げかけることで、「課題への自覚を促す」そして、共感者を得て、解決へ向かっていくということが、社会起業家の取り組みであります。その「切り口のユニークさ」が、事業のユニークさとなります。従って、個々人が感じている課題を、いかに共感を得るような「問い」にしていくのかがポイントとなってきます。
今回の講義では、個々人が考えている「社会課題」を明確にするため、ペアでじっくりとディスカッションを行いました。社会課題を明確にしていく作業は、一人だけでは難しく、人に聞かれて自分自身で整理しながら話すことで、新たな気づきが得られます。こうすることで、相互にワークができていくことも、講座で仲間と学ぶ一つの成果でもあります。各テーブルから、「へーそうなんですね」「なるほど」と声が挙がります。このディスカッションをベースに、「対象者の変化を考えるシート」を活用して、自分の思っていることを事業デザインへとつなげていきました。

〔受講生の声(振り返り)〕
・人に聞いてもたうことで、自分の思っていることが、まだまだ整理されていないことに気づきました。自分の事業を整理し、新しいフレームで話していくことで、多くの気づきを得られました。
・自分で考えているだけでは、客観的に考えることができませんでした。ディスカッションを通して、客観的に考えられるようになるとともに、他の人のサービスを知ることができて良かったです。

 

第3回 事業モデルをつくる(11/13)

第3回目の講座のテーマは「事業モデルをつくる」でした。講座の冒頭では、都市と農村をつなげる活動をしている「NPO法人えがおつなげて」を紹介しました。その後、グループに分かれて「都会の人が農村に行って復興支援をしようとしたとき、どのような難しさがあるのか?」について話し合いました。
・ニーズが明らかでないし、自覚されていないかもしれないこと
・ボランティアだと、やる気もスキルもなくて実際は役立ちにくい
・そもそも農村の人と関係性を築くまでに時間がかかる
など、様々な意見が挙がりました。
「えがおつなげて」の活動は、難しさがある中でも活動が事業化された良い事例であり、受講生には「そもそも事業化するってどういうことだろう?」という問いに立ち返って考えてもらいました。「農作業をモジュール化するってことですか?」との質問もあり、その後「再現できるのが事業」ということについて、この事例から学ぶことができました。
講座の中盤では、「対象者の変化を考える」シートを作成する時間を設けました。改めて、一つ一つの項目について事例を通して理解を深めながら、それぞれの活動に当てはめて考えてもらいました。中々手が動かず、考え込んでしまう方も多く見られ、対象をきちんと考えることの大変さを体験していただきました。

また、最後に、受講生の方それぞれの事業の根幹にある問題意識を伝えようという趣旨に沿って、1〜2分のピッチを行いました。 それぞれの方がピッチを終えた後、足りていない部分について、受講生からフィードバックがありました。「どれだけ少なくてもいいからその人(顧客)にとってのNo.1になってほしい」というのが今回の講座のメインメッセージとなります。
今回の第3回目の講座をもって座学が終了し、受講生は、潜在的な顧客にインタビューをしたり、問題意識の根拠となるような情報を調べたり、具体的なニーズをもっと探ったり、とそれぞれ次のアクションをすることになります。各人のアクションプランを明確にし、次回のメンターニーティングへと臨みました。

〔受講生の声(振り返り)〕
・顧客の声を聞くことの大切さや、成功した答えを想像することの大切さがわかりました。
・「対象者の変化を考える」のシートで具体的な対象者が明確になりました。また、ピッチに挑戦することで、やりたいことや課題が少しづつ明確になってきました。

第4回 メンターミーティング

メンターミーティングは、起業家支援をしている方や実際に起業している方などをメンターにお迎えし、受講生の事業について客観的なフィードバックをいただくことを目的に開催しました。 メンターの方の中には3年間続けて参加している方もいらっしゃり、受講生の話を聞くことを楽しみにしていました。また、コーディネーターとして、活動支援コーディネーター養成講座の受講生も参加し、進行を行いしました。
6グループに分かれて、それぞれのグループに受講生1名・メンター2〜3名、コーディネーター1名(活動支援コーディネーター養成講座受講生)の構成でメンターセッションを行いました。セッションでは、まず初めに受講生から事業内容と現状の課題について共有があり、その後50分間フリーディスカッションを行うプログラムです。それぞれのテーブルで、アットホームな雰囲気のディスカッションが進んでいきました。

メンターの方々からは「いいですね!ニーズあると思いますよ」「それならこんなアイデアはいかがですか」「もしかするとこういうのが参考になるかもしれません」など、受講生の自主性を尊重しつつ、優しく背中を押すようなフィードバックが多くされていました。メンタリングを受けた受講生は、「こんな意見をもらった」「こんな人を紹介してもらえそう」と気づきを多く得られたようでした。

メンターセッションを終えた後は、また全員が集い、一人ひとりから1日の振り返りの発表がありました。受講生の方からは「今日来て本当に良かったです」、メンターの方からは「私の方が勉強させていただきました」など、双方にとって実りのある会となりました。毎年、各方面で活躍している方にご参加いただくメンターミーティングですが、受講生ばかりでなくメンターの方からも多くの学びがあると好評です。多くの方を巻き込みながら地域で活動する人を応援するスキームとして確立されてきたように思われます。また、今年は初めて、活動支援コーディネーター養成講座受講生である区民の方にこーディネーターを勤めていただきました。地域にこのような経験をもった方がいることは、今後も活動したい人を支援する基盤の一つとなったといえます。
今回のメンターミーティングは、市民の方々からフィードバックをいただく2月11日の文京社会起業アクション・ラーニング講座交流会の準備も兼ねて開催ましたが、本日のメンターミーティングを通じて、次のアクションが明確になったり、自信がついたりなど、受講生にも変化が見られ、交流会でのプラン発表が期待されます。

〔受講生の声(振り返り)〕
・ターゲットが絞りきれていない、ターゲットによって提供するサービスが異なる、客はどこにいるのか、どういう行動をしている人か、アンテナの張り方を上手になどアドバイスをもらいました。なにより、事業について人へ話す大切さを再確認しました。
・コンセプトとターゲットを明確にすることが大切であると気づきました。メンターの方とお話する中で、自分にしかできない事業ができるかもという可能性が見えてきました。
・メンターミーティングの中で、これまで気づかなかった経営資源に気がつくことができました。

〔メンターより〕
・私自身、大変刺激を受けました。このゼロイチアクションというか、答えのない課題をそもそも課題として認識することに感服しています。熱い思いをどんどん放出してもらい、仲間をみつけ、一歩づつ踏み出してほしいと思います
・非常に楽しかったです。想いを持って具体的に行動に移そうとしている方が、こんなにたくさんいるのだなと感じました。最初の一歩を踏み出せずにいる方が、勇気づけられている姿をたくさん見られました。
・日ごろ自分のいる領域とは違う話なので、自分にとっても良い気づきがありました。参加している皆さんの思いを強く感じました。一方で、それをビジネスにする視点は弱い部分が多いと感じるので、今後のプログラムは、その視点を多く話すと良いと思います。

 第5回 事業を伝えるメッセージを考える(1/15)

第5回目の講座のテーマは「事業を伝えるメッセージを考える」でした。冒頭で、着想期〜ソーシャルチャレンジ期で構成される「社会起業のステージ」、再現性がキーワードの「事業のモデル」について学びました。事業モデルの例としてスターバックスが挙げられ、特有の空間づくりがゆっくりと一人で過ごせるような時間を実現するサード・プレイスであることが戦略的にされているという説明に、受講者は納得の様子でした。

講義の中盤では、今までの成果の振り返りの時間を設けました。個人ワークで、現状の自分の起業ステージを客観的に捉え、商品の明確化・届け方と同時に必要なチームについて考えました。また、前回のメンターミーティングで得たヒントやその後の活動経験も踏まえ、その後2人1組になって共有しました。

さらに、講義後半では、商品化について学びました。「お金を払いたくなるのはどのような状況か?」の視点で、皆様がそれぞれ考えている社会課題に当てはめて考えてもらうことを促しました。ヒントとして、ホームページやCMから世の中に出回っているアイスクリーム(ハーゲンダッツ、ガリガリ君、 爽、セブンイレブンの冬アイスなど)のそれぞれの商品を特徴づけることの大切さを学びました。その後は、実際に自分が想定しているサービスに対して、「メインメッセージ」「問題提起」「価値提案」「不安解消」「技術・資源の情報」「サポート」「パッケージ・価格」「購入・契約の方法」を含むチラシを作り、共有し意見交換をしました。「一見、何屋さんか分からなかったです」「この色遣いだと対象者は女性だけだと受け取られるかも」など改善のヒントが多く出ました。チラシなどを具体化することで、自分のプランの中で欠けているものなどが明確になります。このワークのように、まとめる、人に意見を聞くを繰り返すことにより、より受講生のプランが具体化していきます。

  第7回 これからの成長戦略をつくる(2/26)

アクション・ラーニング講座の最終回です。文京社会起業アクション・ラーニング講座交流会の振り返りとともに、仲間を集めるためのためのポイントについて解説がありました。

交流会の振り返りでは、色々な意見を言われてが逆に自分のやりたいことがわかった。ネットワークが予想以上に広がった。人への伝え方に工夫が必要だと思った。人前に出すことでブラッシュアップしていくことが大事だと分かった。仲間が見つかったといった成果が挙げられました。
また、今後の活動を考えるときのポイントとして、「サービス提供」と「コミュニティ」についての解説がありました。一つの課題解決のやり方として、ついついサービス提供をしなければと考えがちですが、世の中にはサービス提供的なものが多くあるため、これからの手法として「コミュニティ的なソリューション」が有効であるとの話がありました。自分のサービスが、コミュニティ的なソリューションであるならば、それのための仕掛け(問いかけ、共感する人が集まる仕組みづくり)と、コミュニティとしての解決のノウハウを整えることが必要となります。

社会起業として成功するポイントについても話しがありました。まず大事なことは、自身のサービスだけでなく、世の中全体に対して、対象とする課題に対する問いかけや、社会課題の提示が必要であり、場合によっては調査などが必要です。
仲間を広げるポイントとして「伝わる」ことについて詳細な解説がありました。仲間を広げるためには、関心のない層の前にある「壁」を乗り越えることが必要となります。そのためには、その壁を乗り越えて伝えてくれる「エバンジェリスト」が必要であり、エバンジェリストがどう伝えるかがポイントとなります。情報を与えるというよりも「そう思っていた」「それが必要だと思っていた」と思った時に、自分の思いが人に伝わります。
そこで、「伝わる」を考えるワークシートを活用して、受講生のプロジェクトについて、伝えたい顧客、エバンジェリスト、その人がどう口コミしてくれるのかを考え、グループで共有しました。自分のサービスが一言で説明できないこともあり、口コミでどのように伝えてもらうようにするかを考えるのは、自分のサービスの強みを考えるよいチャンスともなりました。

最後に、これからやるべきことをそれぞれ発表し、最後に講師より、自分がやりたいプロジェクトに対して、「なぜやるのか」「構造的な課題は何か」を考え続けることで、例え外部からの批判にさらされることがあっても、それを受け止める力となるとの話で講座が終わりました。
講座終了後も、定期的に個々人の進捗を報告しあう会をやろうといった提案が受講生から上がり、今後も受講生同士が支え合い各プランを実現していくことが期待されます。

〔受講生の声(振り返り)〕
・交流会では、色々なご意見をいただきました。自分では思いもよらない意見もありました。協力してくれる人が声をかけてくれてその縁を大切にしたいと思います。
・ターゲットとなる分野で働いている人から「こういう風にした方が良い」と声をかけてくれました。 違う視点で意見をもらえたので、参考になりました。
・自分のプランをすごく共感してくださる方がいました。人の目に触れてブラッシュアップしていくことの大切さがわかりました。
・プランのコンセプトの入り口だけを交流会で話したため、区民の方々に伝えきれませんでした。仕事と平行しながら、ゆっくりとプランを具体的にしていこうと思っています。
・発表の機会をいただいたことで、発表することが苦手でしたが、何かできそうと自分に新しい発見がありました。他の人のプレゼンを聞いて、どうやって人に伝えるのかを学ぶこともできました。
・早速、メンターの方に意見をもらったチラシづくりに挑戦してみました。実際に、利用していただかかないと、自分の良いなと思うことと、サービスを利用する方との思いがマッチするのかがわらないので、微調整しながら進めていきたいと思っています。
・自分には足りないことを補える役割の人を見つけることができたので、コタクトをとりながらやっていきたいです。
・人に発表する機会が何度かあり、どうやって自分の原体験を伝えれば良いのか悩んでいましたが、少しわかってきました。そうはいっても、淡々とやり続けることが大事だと思っています。
・一緒にやろうといってくれた人がいたため、自分のやりたいことに自信が持てました。自分に足りないことは、ヘルプを出せば、必ず誰かが支援してくれるのではないかと思いました。


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