【開催レポート】コーディネーター養成コース


コーディネーター養成コースでは、活動を支援する具体的な技法を、理論、実践を通して学ぶことを目的に開催しました。そのため、社会起業アクション・ラーニング講座の個別相談会や、メンターミーティングのコーディネーター、社会起業アクション・ラーニング講座交流会の運営及びファシリテーターを 担っていただくことで、地域で活動をしたい人へのサポートの仕方、地域での活動支援の仕方などについて実践的に学びました。

これにより、本講座受講生同士のネットワークに加え、地域活動実践者とのネットワークもでき、来年度以降も区民が持続的・自立的に、地域活動を支援したり、地域活動の第一歩となる対話の場を設計運営するための基盤構築と、その要となる人材の育成を行うことができました。

日時 8/25~2/16(全8回) (木) 18:45~21:00
場所 文京区民センター フミコム
受講者数 17人
趣旨 活動を支援する具体的な技法を、理論、実践を通して学びます

 

第1回 2025年から地域に必要な活動を考える(8/25)

コーディネーター養成コースは、ファシリテーター養成コース受講生の中から、さらに学びたい方が受講する講座です。予想を超える多くの受講希望があり、今回の受講生の学ぶ意欲の高さが伺えます。

第1回目は、「コーディネーター」の意味・役割を考えるため、「質の高いお見合いおばさん」について考えてみました。情報の引き出しが多い、色々なコミュニティに属しているなど、お見合いおばさんに対する要素が、実はコーディネーターに必要な要素としてつながっていきます。

また、ひとつの事例として「都市農村コーディネーター」が紹介されました。都市と農村のニーズのミスマッチをうまくつなげることが成功のポイントという話しがありました。「求めていることが異なる人たちを結びつける」これがコーディネーターの価値となるという話もありました。

さらに、現場で活動する方はどうしても目の前のことに目が行きがちです。時には、原点に戻ったり、未来を目指すサポートをすることが必要となります。だからこそ、コーディネーターに必要なのはビジョンだという説明もありました。

そこで、ビジョンを持つという意味から、「2025年について考えてみる」というお題でワールドカフェを実施しました。これからの時代に求められることなどを考えておくことや、未来志向の視点があることで、サポートすべき今ある団体の活動や担い手を見る目も異なってくるのではないかということになりました。

 

第2回 活動の継続力を高めるには何が必要か」(9/15 )

TED動画の「社会運動はどうやって起こすか?」を視聴しての感想を共有しつつ、社会活動を起こすには何が大切なのか? ムーブメントを起こす要素をを整理していきました。活動の中心となる人だけでなく、2番目、3番目に共感する人が大事であり、その2番目の人を見て、共感を得た人から共感が広がっていくという構造がわかりました。

イギリスのブロムリバイボウセンターの事例から、自分が助けるだけではなくて、困っている人と社会資源を結びつけ、変化を起こすことが重要であり、「成果」「社会資源」「対象者」の結びつけとバランス、回っていることで社会の活動はうまくいくことが説明されました。

また、講義の後、「協力を増やすには?」についてテーブルごとで話し合いました。「アイデアがある人は言い続けることが大事」「共感を得るための楽しい場を共有する」など、色々な視点や要素が出てきました。

また、「協力」とは何かについて改めて説明もありました。活動を継続するためには、同じ目標に向かっていくことであり、協力者は単なるお手伝いではないので、協力者の方が活動に協力することで実現したいことや、それに参加することで学べることなどがあってこそ自発的に協力してもらえます。コーディネーターは、その部分を大切にすることも重要です。

また、活動を始める人や起業家は、ソーシャルキャピタル(社会関係資本)がない人が多いため、関係性をつくることで事業基盤を築くことが大事であり、コーディネーターとして活動を応援するときには、関係性をつくること、結びつけることを進めてもらいたいという話がありました。「協力」や「共感」は、自然とできるものではありません。コーディネーターとして、受講生のみなさんが、それを理解し、活動する人と地域資源を結び付け、協力や共感にしていく力を身につけることが期待されます。

第3回 活動の「仕組み」をつくるプロセス(10/6)

第3回目のテーマは「活動の仕組み化」でした。コーディネーターとして団体を見るときのポイントを、「活動の仕組み化」という点から考えました。
いつも同じことでつまづく、トラブルになる団体は、仕組み化ができていないことが多いです。個人依存になっていないか、ワークフローが明確になっているか、取り組むべきことがプロジェクト化されているかなどを探っていくというところがポイントです。
なんとなくできていることには、継続性もなく、みんなで作り上げていくことにも繋がりません。役割分担もワークフローができていないとできません。ワークフローが明確になると、状況に応じて役割を変化させ、臨機応変に対応することができるようになるため、一人ひとりがどう動ければ良いのかわかるようになります。
受講生のみなさんには「対話の場づくり」に必要な「仕組み」を考えていただきました。実際に、ファシリテーター養成コースでは、12月からの文京ミライ・カフェを企画する必要があり、それに向けて必要な仕組みを考えディスカッションしていただきました。すでに実施している対話の場の情報発信をしていく、見える化していく、やるべきことをリスト化していく、定期化していくなどのアイデアがでてきました。

 

  第4回 活動の立ち上げ支援のポイント(10/20)

第4回目のテーマは「活動の立ち上げ支援のポイント」でした。冒頭にマザーハウスの山口さんの動画を視聴し、その後グループで「(起業家として)山口さんの良いところ」について話し合いました。参加者の方から「(裏切りや盗みなどの被害に合っても)個人を責めず人を信頼しているところ」が挙がり、個人でなく個人が置かれている状況が社会課題であり、社会課題の解決に臨むに当たって自己責任論にもっていかないことが大事であることを学びました。

今回の講座では、リーン・スタートアップについても学びました。実用最小限の商品をつくり、顧客の反応を見ながらターゲットを絞ってビジネスモデルを構築していくやり方を学びました。事例として「ワンコインの健康診断」を提供しているケアプロの動画を視聴しました。その後、グループで①活動を始める上で、何が大切か?②事業化を進める上で大切なことは?③どのようなサポートが立ち上げの支援で大切か?を話し合いました。①については、「看護師として現場を見てきた経験。だからこその強い想い」、②については「パチンコ店など対象者がいる場所に自ら入り込んでいくところ」、③については、「ワンコインだと活動が続かないから、国の支援を受けているところ。そのために自分の想いだけでなく、日本の社会課題(生活習慣病の増加、医療費負担増加)も踏まえて活動しているところ」など多くの意見が挙がりました。

もう一つ事例として、子育てkitchenが取り上げられました。トライアルを重ねて参加者の反応を見ていく中でニーズや活動の意義を見出していくこと、また、メンターや地域の人々と対話していく中でプログラムの特徴を整理していくなど、リーン・スタートアップの流れを具体的に考察しました。「事業の成否の分かれ目」についても講義があり、顧客増を明確にする重要性(人数は狭まるがニーズが強い)や商品とチームのつくり方についても学びました。さらに、社内起業が活発なリクルートで行われている支援についても紹介がありました。リクルートでは、ビジネスコンテストよりも、作り込んだ事業計画よりも、月に一回のピッチ(短いプレゼンテーション)の機会を提供することで、社員の中で眠るアイデアがすぐに拾われ、ピッチから得られるフィードバックを受けて「今、できること」から動き出せるように支援しているとのことでした。

最後に、「起業支援の心得」として、起業家自身の準備が整っているかを見極めること、あるものを評価し足りない部分を伝えること、判断・意思決定は起業家本人がすることを忘れないなどの必要性を学びました。 参加者の一人からは「後押しして欲しいと思っている人も、コーディネーターが後押ししたら即動くというものでもないのではないか」という感想もありました。起業家と接するに当たっては、距離感のある関係性を築くのがポイントであるという理解も進んでいきました。

第5回 事例の検討 ①(11/17)

第5回目のテーマは「事例の検討」でした。地域活動がどのような担い手の想いで立ち上がり、成長していくのかといったプロセスから支援ポイントを学ぶため、過去の支援プロジェクトのケース検討を行いました。
最初に、港南台タウンカフェの活動を紹介しました。小箱ショップなどの仕掛けにより持続的に活動しているカフェの事例です。この中で、地域でのつながりづくりは、話し合いだけでなく、参加者の「自分の出番」をどうつくるかということがポイントであること、また、つながることが目的ではなく、何かの目的を共有することでつながることを理解しました。タウンカフェの場合は、自分の手作り品を売るということを通じて、それに参加した方がつながっていきました。
こうした、出番作り、仕掛けづくりを学んだところで、昨年度の支援プロジェクトである「本郷いきぬき工房」と「ぶんきょう・いんぐれす」について、成長のプロセスをトレースしながらその成長の要因を分析していきました。
チームに別れ、報告書等を確認しながら、要素についてチームで分析していきました。はじめは個人的な思いで始めたことが、地域の課題と結びつき拡大していく、また、違う役割を持つ仲間と出会うことで成長していくといったことが分析されていきました。
また、起業が成功するかどうか、支援の投資をするかどうかの判断の一つのポイントとして、その人が「誰のために起業しようとしているのか」「情熱を誰のために傾けているのか」であると説明がありました。起業には困難が多く、そうしたときに耐える力となるのが、その人のために頑張れるかどうかというところなのです。受講生には実感がないようでしたが、こうした見極めが、地域でコーディネーターとして支援していく時のポイントといえます。今後、12月の文京社会起業アクション・ラーニング講座のメンターミーティングに参加することで体感していきます。

 第6回 事例の検討 ②(12/15)

第6回目のテーマは、前回に引き続き「事例の検討」でした。12/12にコーディネーターとして参加いただいた社会起業アクション・ラーニング講座のメンターミーティングの振り返りを行い、メンターミーティングの意味を受講生とメンターのそれぞれの立場から考えていただき、場をつくるためのコーディネーターの役割を考えました。メンターミーティングは、受講生のための場ですが、参加するメンターにとっても気づきを得られる場でもあります。メンターさんにとってのメンターミーティングの意味を理解することは、地域のコーディネーターにとって必要なことです。ディスカッションの中で、メンターミーティングが「本人の気づいていない「核心」となる根拠が掘り起こされる」「背中を押される、アイデアが具体的にステップアップする」「現状のハードルが何かを明確にして、次への具体的なアクションにつなげる」「自分ひとりで何をしていいかわからないことが整理される」といった意見が挙がりました。また、メンターミーティングを設定する時には、「メンターが興味を持っている活動者とメンターをマッチングする」「険悪な雰囲気にならないよう、お菓子を置くといった雰囲気作りも大事」「感想シートやアクション宣言など、まとめられるようにする仕掛けも重要」といった意見が挙がりました。
また、後半は、2月に開催される文京社会起業アクション・ラーニング講座交流会についての意味及び説明となりました。過去の開催経験より、こうした場を設計するに当たり、事務局としてどのような点に気をつけているのかを説明しました。

第7回 文京社会起業フェスタ (社会起業アクション・ラーニング講座交流会)から学ぶイベント運営(1/19)

第7回目のテーマは、第6回目でイベント運営について触れたこともあり「活動を支える仕組みづくり」についてとなりました。
地域やNPOの活動を支える仕組みとして、NPO法人サービスグラントのプロボノの仕組み、クラウンドファンディングのレディーフォー、コミュニティバンクmomo、SVP東京の取り組みについて、何が支援のポイントかについての説明がありました。それぞれ既存の仕組みは、外部の人の関わり方の型がきちんとできており、それが成功のポイントとなっています。
これらの取り組みをみると、お金や場所といった物理的な支援だけでなく、個々人の得意を生かして「労力を提供する」といった取り組みが多くみられることがわかります。この時に大事なことは、なんでも手伝ってもらえばよいというのではなく、仕組みとして参加しやすいようにすることであり、一番のポイントは「成長を支援していく上で、携わる人も自身もどのように成長できるのか」ということです。このように、個々のプレイヤーに欠けている要素を、同じ問題意識を持った人で支えいくことが支援することであり、活動が一人でやる以上のインパクトで進んでいきます。そういった意味で、このプレイヤーとサポーターのマッチングと、関わり方の仕組みをうまく作っていくのがコーディネーターの重要な役割となります。
受講生の皆さんは、個別の事例を興味深く学んでいきました。「支える仕組み」について、具体的なイメージを持つことができたようです。

 第8回 自分の目指すコーディネーター像(2/16)

コーディネーター養成講座の最終回となりました。
コーディネーターとは、起業家や地域活動の困っていることを直接解決する存在ではなく、助けられ力を引き出し、それを解決できる人へとつなげる人のことです。メンターミーティングや文京社会起業アクション・ラーニング講座交流会など、実践的に学んで、改めてコーディネーターとは何かを理解していただいたようです。
また、先日の文京社会起業アクション・ラーニング講座交流会に参加した感想として、聴衆からの否定的な意見が出たときにどう受け止めるのかをアドバイスするのが難しい、味方になってあげるとはどういうことか、より具体的な問いかけをしないとサポーターは現れないといった意見が挙がりました。実践してみて、色々な難しさがあることを体験しました。
最後に、これまでの講座を振り返り、自分たちの目指すコーディネーター像についてまとめました。コーディネーターとしての自分の強みとなりそうなところ、成長したいところなどを考えていただき、最後に受講生の方に自分のコーディネーターとしてのキャッチフレーズを考えていただきました。
今後も、実践を積み、思考錯誤しながら、理想のコーディネーター像を作っていっていただければと思います。

 


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