【開催レポート】ファシリテーター養成コース


活動支援コーディネーター養成講座は、地域活動や地域課題を把握し、解決に必要な地域資源(人、制度、施設など)と結びつけることで、良い結果を生み出す地域のコーディネーターを育成する講座として開催しました。対象者と資源を持つ方の強み・課題を理解し、効果的につながる場づくりをする、地域の方や活動の課題について、表面的な問題だけでなく、なぜ起きているのかを理解する、地域の人、制度、施設などを、どのように活かしたらいいのかを考えるといったスキルを身につけること目指しました。講座は、ファシリテーター養成コースを基本に、より深く学びたい方のコーディネーター養成コースの2コースを実施しました。

ファシリテーター養成コースは、地域課題の理解を深める、活動への共感を広げる、活動のチームづくりを促す、地域の対話を促すファシリテーターの役割と技術を学ぶことを目的に開催しました。また、ファシリテーター養成コースは、対話の場づくりについて実践的に学んでいくため、4つのチームに分かれて、文京ミライ・カフェの企画、準備、運営を行いました。

日時 6/23~3/2(全7回) (木) 18:45~21:00
場所 文京区民センター 3-C会議室
受講者数 27人
趣旨 地域課題の理解を深める、活動への共感を広げる、活動のチームづくりを促すなど、地域の対話を促すファシリテーターの役割と技術を学びます。

第1回「地域のミライを拓く対話の役割」(6/23)

地域の活動をサポートするファシリテーター養成コースの第1回目を開催しました。テーマは、「地域のミライを拓く対話の役割」です。受講生には、地域活動を既に行っている方、サラリーマン、主婦、自営業の方など、様々な方が参加しています。

最初に「24時間以内におきたラッキーなこと」について発表し合いました。ラッキーなことが、なかなか挙がらない方もいらっしましたが、これもワークショップの一つの型ということで、日々の自分の生活を見つめる一つのやり方として体験しました。また、話し合う中で、自分では出せなかったアイデアがどんどん生まれてくるなど、「対話の場の持つ力」も体感しました。

また、学びには2種類があります。「Lean」と「Unlean(学びほぐし)」があり、「Unlean(学びほぐし)」とは、知識やスキルを現場で自分のものとして使いこなすことと説明がありました。失敗を通じて自分のものとする、ふり返り、内省から自分の答えをだすということが、講座での学習スタイルの基本となります。また、ファシリテーター養成コースでは、受講生による文京ミライ・カフェの企画運営をしてもらうなど、受講生の方々にチャレンジしていただく舞台も用意しています。そこから、みなさんがどのような学びをしていくのかが期待されます。

 第2回「対話のファシリテーションの基礎」 (7/7)

第2回目のテーマは「ファシリテーション」と対話の型「ワールドカフェ」についてです。

地域活動の推進には、ファシリテーター力が重要であるため、まずはファシリテーションの基礎について学びました。ファシリテーターとして大事なことは、「一人ひとりの経験や知恵、考えに価値があると思うマインド」という説明に、みなさん頷いていました。また、知識を与えるのではなく、参加する場の満足度を高めるとはどういうことかということもポイントであり、みなさんも納得していました。
対話の質は、型(プログラム)がないと、個人のファシリテーターのスキルに左右されがちです。しかし、ワールドカフェのような対話の型があれば、ファシリテーションの個人スキルに頼らなくても、良い対話の場が運営できます。

以上のコツを講義で聴いた後は、ワールドカフェ体験「これからの地域のつながり」です。
比較的、運営がしやすいとされているワールドカフェですが、プログラムやテーマを設計することの大切さを体験することで学びを深めます。ワールドカフェ体験では、世代が違うことで、色々な視点の意見がでてきます。「近所のお祭りに行きたいけど、子どもがいないと参加しづらい」といったような、自分の体験に基づく話がどんどんでてきます。「I(私)」を主語に話すことを促すのは、ファシリテーションの大事なポイントです。今回は、受講生のみなさんの協力もあり、話につまることなく、ファシリテーションがうまくいっています。

多世代のつながりを促す一つの意見として、「SNSが地域のリアルなつながりの一つの入口になる」とい意見が挙げられ、「なるほどね」という声が上がっていました。こういう新しい気づきがワールドカフェの楽しさです。また、「対話っておもしろい」と思うのが、ファシリテーションの上達の一つの要素でもあります。

第3回 「課題解決を促すファシリテーション」( 7/21  )

第3回目のテーマは「課題解決を促すファシリテーション」です。話し合いの仕方、特に問題解決型の話し合いに挑戦します。

模造紙の効用や、ファシリテーターのポイント、ふり返りで個々の気づきを促すポイントなどについて、講義の後、話し合いながら、ファシリテーターの役割について理解を深めていきます。

話し合いの第一のお題は「コミュニティが注目される理由は?」です。コミュニティへの関わりも二極化しているのではないかという意見や、コミュニティに入ると自分の時間が取られる懸念があるなど、様々な切り口の意見が挙がりました。

ファシリテーションは、やって経験を積まないと身に着かないため、受講生の方にも体験していただきました。対話のプログラムを進めるコツとしては、話を聞く時間、まとめる時間など、話し合いの構成を考えておくと運営しやすいというアドバイスも講師からありました。

また、対話の中で大事なことは「違い」を浮かび上がらせること。違いを楽しむのが対話であり、そのときには、「違っていいですね」というファシリテーターの受け取り方が大事になるという話もありました。

ファシリテーターをしてみて、具体的な疑問や質問もでてきたようで、振り返りシートには、受講生から多くの質問が寄せられました。体験してみることの大切さを、改めて受講生の方に実感していただきました。

 

  第4回 「対話イベント企画の作り方」( 8/4)

冒頭では、ファシリテーションのQ&Aについて説明をしました。1~3回の講座で、受講生の方から、ファシリテーションを体験した上で、多くの質問が寄せられたため、事務局で「ファシリテーションQ&A集」をまとめました。「ファシリテーターも対話に参加して良いのか?」「対立している場はどうすれば良いか?」など、現場で実際に起こりそうなことに対する質問について解説をしていきました。

また、今日から実践編ということで、対話のイベントの企画を行いました。よいイベントを開催するには、良いイベントに参加した時の良いイメージが大切なことから、ぜひ、色々なイベントに参加してみて&振り返りをしてもらいたいと説明がありました。さらに、イベント設計をする時に「何をやるか」に目を向けがちですが、「何のためにやるのか?」が一番重要だという話もありました。そして、そのためには、アウトプットに加え、アウトカムも考えることが大事であるという解説もありました。アウトプットは、参加人数や満足度などになります。アウトカムは、イベントに来たことで参加者が次の行動に移せるかや、自分でもやってみようと思えるようになったかということです。

さらに、具体的に、企画シートを使って、やってみたい文京ミライ・カフェの企画をしました。「サカミチ」「街のトイレ」「文京区の最高の場所」「土日の過ごし方」「子どもの郷土意識」「シャッター街をなくすためには?」「シェアハウスで住むとは(新しい住まい方)」「夜遊び情報交換」「インバウンド」「高齢者の見守り」「老舗喫茶店のこれから」「若い人と選挙」などのテーマが次々と出てきます。受講生による新しいアイデアは、区や事務局では発想できないものも多いため、新しい層へのリーチにつながることが期待されます。

 

第5回 「対話イベントの運営手法」 (9/1)

第5回目のテーマは「対話イベントの運営手法」です。具体的な対話のイベントの運営手法を学ぶために必要なことなどを説明しました。個々にどのような対話のイベントをしてみたいのか。どのようなゲストを招いてみたいのかを、企画シートを活用して具体的に計画していきました。全員が自身のプランを発表した後に、興味の似ている受講生同士でグループを作り、どのような方向で実施していくかを話し合いました。文京区のつながりづくりの一つとして、グルメ情報を共有することをテーマにしたチームや、哲学カフェを企画してみるチーム、街に足りないことを考える街のスキマチームの3チームができました。12月から、それぞれのチームで文京ミライ・カフェの運営を実践していきます。また、9月29日と30日にチームで企画について検討する相談会も実施しました。

第6回「文京ミライ・カフェの実践経験をふりかえる」(12/1)

当初の予定では「ミライ・カフェの実践経験をふりかえる」としていましたが、12月からが実践となったため、各チームでのカフェの企画と前回の講座の「イベントの運営手法」の追加説明をして、より学びを深めました。
最初に12月の文京ミライ・カフェ「何でも話せる仲間をつくろう!」を企画したチームから、企画、準備運営におけるポイントについて発表してもらいました。その中で、実際にゲストとの打合せを行って「自分たちの開催したい対話のイベントが、どこを目標にして、何を着地点にしたいのか?」を明確にすべきであることが分かったとの話がありました。
これは、社会的な活動と同じように問われることです。「何がしたいのか?」と問われているのは、イベントの中身ではなく、イベントを開催することで、どういうところを到達点としているのか、参加者がそのイベントから何を得るのかということです。そして、相手の共感を得るために大事なことは、自分が開催したい理由を自分の言葉で説明して共有することです。そして、開催意義について共感が得られると、ゲストとして参加するなど、協力をしてもらえるようになります。
また、文京ミライ・カフェでは、3名のゲストの方のストーリートークをお話いただきます。3人それぞれの役割を明確にして、テーマに対して違う切り口から問題提起ができるようにすると、対話に厚みがでるとの話がありました。
これから、受講生の参画による文京ミライ・カフェを実施していきます。1月は「海外の方のつながりとおもてなし」、2月は「お店を通じた地域のつながりづくり」をテーマにしていく予定ですが、どちらも受講生が文京区に暮らす区民だからこそのテーマ設定で、事務局からは提示できないようなユニークな切り口となりました。
最後に講師から、対話の場のファシリテーターとして大事なことは、本当に対話の場で新しいことが生まれるという信念と、参加した人の思いを本当に知りたいと思う気持ちですという話がありました。

第7回「年間のふりかえり&今後のアクション計画」(3/2)

ファシリテーター養成講座の最終講座です。受講生は、12月から文京ミライ・カフェの企画運営に挑戦しました。具体的な対話の場の企画運営に関わった経験を踏まえ、改めて、地域活動を支援するための対話の場の重要性について考えました。
地域活動が成功するかのポイントは、地域での関係性を築くことです。受講生に挑戦していただいた文京ミライ・カフェの対話の場は、まさにその関係性をつくっていく場となります。対話の場の設計で大事なことは、非日常的な空間をつくり、フラットに話せる空間をつくることです。また、多くの世代や関係者に関わっていただくためには、話題提供者の中に、従来から住んでいる方、新しく活動を始めた方などをうまく構成すると多世代交流が自然とできるようになります。また、対話においては「問い(話し合いのお題)」づくりがポイントとなるため、その点についての工夫が必要です。経験者やベテランの活動者が聞いてみたいことを問いにするといったやり方も、共に学ぶ場づくりの一つの方法です。このようによい対話の場は、その時だけでなく、事前の場の設計が重要であり、参加者が安心して参加できる、興味を持って参加できる対話の場の環境を作っておくことが重要です。さらに、ファシリテーターとして大事なことは「最小化」を超えるということという説明がありました。「いろいろなことが知れてよかった」で終わらせず、それを聞いて自分はどう思ったのか、何をしようと思ったのかというところまで、深く対話ができるように促すことで、より深みのある対話、個々人の行動変容につながる対話になります。
最後の講座ということで、改めて、受講生の方に、ファシリテーター養成コースを受講し、ファシリテーターを実際に体験してみて感じた、以下のポイントについて振り返りました。

■対話の企画からの運営を通して、地域の課題や可能性について
・対話の場のように人と話すことで、新しい「そうなんだ」という気づきがあると思いました。
・対話の場が必要としている人がいるし、それによってつながっていくことの可能性が実感できました。
・偶然、集まった人から、新しいエネルギーが生まれるのを感じました(その場の唯一性が大切であり、それが対話を実施する意味ではないか)。
・モヤモヤや不安に、輪郭を与えるのもファシリテーターの重要な機能だと思いました。言葉にすることで、モヤモヤとしたことが言葉に整理されると思います。ただ、逆に、言葉にしきれないあいまいなものが残りますが、それも大切ではないかと思います。
・活動をしたい人の問題意識には、根っこに同じことがありそうだと感じました。だから、共感できる人は多いだろうし、サポートしたい人も多いのではないかと感じました。
・このような場があって、プロジェクトをやりたい人がいて、プロマネができる人がいれば、地域のアクションを起こせそうという実感を持ちました。
■対話の企画・準備・運営において、何が大切か
・チームの人の「人となり」がお酒を飲んだりしながら分かる、そうして関係性を作っていくことがポイントではないかと思いました。
・ボランティア活動で大切なことは、納得感、動機付けだと思いました。それをやる意味を納得できれば、自分自身で動いてくれるのではないかと思いました。
・場の中で何を目標にするのか、対話により成果がでそうだという期待感が大事ではないかと思いました。
・運営側と参加側が共通の言語を持つことが大事だと思います。参加者が認識している言葉でストレートに出すことが大事だと思います。
■対話の企画・準備・運営において、実施するチームの運営のポイントは?
・得意が発揮できることが大事だと思います。
・人の負荷をどう分担するのかが、難しいと思いました。
・一度ではなく、何度でも会って話し合うのかがポイントではないかと思います。
・チームの中で役割分担を決めたり、全部は出られなくても、絶対はずせないミーティングだけを決めておくといった運営の工夫が必要です。また、欠席者の人にメモを写真にとって共有するといったことが大事ではないかと思いました。
・チーム内で、対話の場の趣旨目的を共感し、共有することが大事だと思いました。


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