【開催レポート】3月のミライ・カフェ「あなたがくつろげるマチの居場所は?」


3月9日に、文京ミライ・カフェ「あなたがくつろげるマチの居場所は?」を開催しました。活動支援コーディネーター養成講座受講生の参画による対話の場であり、5月から開催してきた文京ミライ・カフェの最終回となりました。居場所を作りたいという方は多くいますが、継続するには様々な課題があります。「つながる」を前面にだすのではなく、結果として、集っていたらつながった、何か生まれたというのが健全であり、居場所の運営といった面でも有効なのではないかといった受講生の問題意識から、このテーマが選ばれました。

居場所を経営する3人の方から、居場所をつくる思いや運営方法などをお話いただき、それをヒントに対話をしました。最後ということもあり、多くの方に参加いただいた文京ミライ・カフェとなりました。終わってしまうのは残念だという声もあり、区民主催で開催したいという声も聞かれました。

■プログラム概要 

日時:平成29年3月11日(水) 18:45~21:00
会場:区民センター フミコム
参加者数:人
テーマ:あなたがくつろげるマチの居場所は?
ゲスト:
○思いを共有する居場所とは?
~ペイシェントサロン協会会長/みのりCaféオーナー鈴木信行さん
○カフェが、自然と人が集まる地域の居場所となるには?
~おへやカフェnatchen戸田孝雄さん
○公園でも児童館でもないママの居場所とは?
~ほっこりーの(北区)代表内海千津子さん

■ストーリートーク(話題提供者からの問いかけ)とミライセッション(対話)からの気づき

◇思いを共有する居場所とは? ~ペイシェントサロン協会会長/みのりCaféオーナー  鈴木 信行さん

鈴木さんは、カフェのオーナーであるとともに、ご自身の闘病経験を基に、患者さん同士がつながる場、患者と医療従事者がフラットな関係でよりよい医療について話し合える場をつくる活動もしています。鈴木さんの考える居場所とは「自分の思いがオープンにできる」「一人で参加できる」「参加者同士で共感を得られる」です。また、みのりcaféは、鈴木さんが手がける居場所ですが、コーヒーにこだわりのあるcaféとして経営しており、閉店後にワークショップを開催する仕組みになっています。このように特定の人のためだけの居場所にしていないことも運営上のポイントとなっています。また、居場所づくりで難しいのは主体的に作っていく人が少ないということだそうで、そのための人材育成などもしています。
鈴木さんからは、対話のお題として「あなたにとってのくつろげるマチの居場所の条件とは?」が挙げられました。

■対話の内容
・好きなことを切り口にすれば入っていきやすい。イベントを様々なテーマで開催してくれると、比較的ハードルが低くなり参加できそうである。そこから、居場所としていくのが良いのではないか。
・居場所の条件として、継続的に運営していることや、いつでも行けるといったことが必要である。また、距離感も大切であり、密な関係になりすぎても居心地が良くない場合もある。
・居場所として、あえて場所を作らなくても地域のお店の定休日などを活用していくのも良いのではないか。
・お店のハードとして、カウンターを設けるなどの工夫が必要である。一人でも入り易い、オーナーや他のお客さんと話し易いといったことが重要である。
・自己表現がどれだけできるかといったことも「くつろげる」条件のような気がする。

◇カフェが、自然と人が集まる地域の居場所となるには~おへやカフェ natchan  戸田 孝雄さん

戸田さんは、昔から民生委員や青少年の育成など地域に関わってきました。地域のお困りことには色々と接してきたそうです。そのような時に、高齢者の方が、高齢であることを理由に賃貸契約の更新を断られ、住むところに困っていると聞いたことから、これらの方が住める場所を作ろうと、おへやカフェnatchanを始めたそうです。1階にカフェを設けたのは、住んでいる方のご希望に添った食事が出せると良いとの考えから始めました。一方で、そのカフェは、一般の方にもビーフカレーのおいしいお店として人気があります。さらに、地域の方や地元企業の方の集まりにもよく利用されているそうです。また、ワイン会などを開催することで、色々な人が来られるように工夫もしています。これらのイベントがきっかけに、イベント参加者がカフェの常連となり、居場所となっていくこともあるそうです。戸田さんは、お越しいただいたお客様の要望に、なるべく応えたいとおっしゃっていますが、その「おもてなしの気持ち」が、自然とみんなが集まる居場所になっている要因ではないでしょうか。
戸田さんからは、古くから地域に関わってきた経験も踏まえ、居場所の中で、新しい住民の方が入りにくいと感じるのはどんな時?というお題が挙げられました。

■対話の内容
・子どもがいない人にとっては、地域は入りにくいと感じる。また、常連さんが占拠しているような状態を見ると入れないと思ってしまう。こうしたことをシャッフルするような仕掛けが必要だと思う。
・その場所に仲間や知り合いがいると入りやすいと感じることが多い。また、古い人と新しい人をつなげるような人がいると良い。
・中に入るきっかけとして、「お酒」「趣味」などをテーマにしたイベントなどがあると良い。
・居場所といっても、参加者が何か役割を持つようになると難しい場合がある。「いるだけでいいんだよ」という雰囲気も大事であり、オーナーがそういった雰囲気を作っていくことも必要である。
・地域でのお手伝いなどは、ボランティアとニーズのマッチングが必要である。「求人一覧」のように具体的に必要なボランティアを示し、広く世帯などに配布すると良いのではないか。

◇公園でも児童館でもないママの居場所とは?~ほっこりーの代表 内海 千津子さん

内海さんは、北区でママのための居場所づくりをしています。2箇所目がオープンするなど順調な経営をしているように思われますが、これまで様々な試行錯誤をしてきたそうです。活動としては、いつでも無料でふらっと立ち寄れる場の運営、学びたいママ、働きたいママのための有償のコワーキングスペースや講座の提供、フリーペーパーの発行などをしています。子育て中のお母さんが誰も頼れず不幸なことが起きないようにしたいという思いがあるため、無償での居場所提供にこだわっています。居場所の運営では、資金的なことが常にネックとなります。そこは、ママコミュニティのメリットを活かしてスポンサーを得たりするなど工夫をしています。また、活動は、株式会社とNPOの両方の資金で運営しています。サービスには有償無償があり、スタッフもボランティア的な方と社員的な方がいるなど「有償」「無償」の部分が混在しているため、最初は混乱したそうです。その部分を切り分け、株式会社で得た資金をNPOの活動に回すといったように、有償無償の部分の機能を分けることで、気持ち的にも、運営的にも楽になったそうです。
ご自身の経験から、ボランティア的に関わっていただくことの難しさ感じていたことから、「ボランティア?起業?居場所づくりをどうする?」がお題として挙げられました。居場所づくりをしたい方は多いため、このテーマには、多くの方の関心を集めました。

■対話の内容
・ボランティア的な働き方をコントロールするのは難しい。お金以外にも達成感などが必要ではないか。
・ボランティアでかつ主体的に関わっていただくためには、単なるお手伝いとして考えるのではなく、リーダーシップ的に移行することなどを考える必要があるのではないか。
・こうした活動のベースは、まず思いの共有であると思う。ただ、最初はボランティアで関わっていても長期で責任を持って関わっていただくには、報酬を払いビジネス的に関わってもらうことが必要ではないか。
・内海さんのお話を聞いて、サークル的な活動と企業的な活動が両立できるのではないかと思った。

◇ほしい居場所をみんなで考えよう!

4つ目のテーブルとして「ほしい居場所をみんなで考えよう」というお題で話し合いました。居場所づくりをしたい方や、実際にしている方なども多く、以下のような意見が挙がっていました。

・活動をしている人同士の横のつながりが少ないと思うので、ジャンルなどを超えて集まれる場所が欲しい。
・精神障害者の方のための集まれる場所がほしい。縦割り行政などの考えだと、精神障害者は精神障害者で集めるといったような考えになりがちだが、もっと枠を超えた居場所が必要ではないか。
・介護をしている方が集える場所をつくりたい。
・居場所として家から近いというのは必要条件だが、一方で、近所の人には知られたくないという思いを持っている方もおり、区内の方でないとダメといったような規制はしないほうが良いと思う。
・特定の人だけではなく、どんな人も受け入れられる場所が必要ではないか。居場所があっても、どうやって地域との接点をつくっていくのかも課題になるのではないか。

■対話の様子

 

■参加者の声

・みなさんが非常に高い意識を持っていることに感銘を受けました。自分の専門性を活かしていく場所がどこかに見つけられそうな気がしました。
・誰かが訪ねてくるのを待っていても関係性は広がらないと痛感しました。色々な機会に顔を出し、人と人とがつながっていくことが大切だと思いました。
・コミュニティスペースの運営について、様々な視点から学ぶことができました。
・私自身も、自分の居場所がどこにあるのか悩んでいたのですが、大好きな文京区の皆さんと、居場所についてお話ができ、ちょっぴり元気になりました。やりたいこと、やってきたことを思い返すことができました。
・地域の住民が気軽に集まれる場所が欲しいけど、いざ運営する側となると人材(ボランティア?人をやとう?)を集めるのが大変。人材だけでなく運営費も稼がなくてはいけない。でも、できれば利用者のみなさんには低価格で利用して欲しい。この矛盾をどう解決していくのか、ヒントをたくさんいただきました。
・区内には、問題意識を持ち、活動に取り組んでいる方が、多くいることに驚きました。


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