【開催レポート】1月の文京ミライ・カフェ「YOKOSO文京~外国人の方々との交流とおもてなし~」


1月11日に、文京ミライ・カフェ「YOKOSO文京~外国人の方々との交流とおもてなし~」を開催しました。外国人の方々との交流やおもてなしに携わる2人の方からの話題提供、問題提起の後、交流やおもてなしの意味、あり方について対話が行われました。「交流やおもてなしの質を上げるには、普段の体験や経験、人とのつながりの質を上げることが肝要だ。」「当事者意識、参加者意識を持って一緒に参加し、自分たちも楽しむのがよい。」という声が多く聞かれました。外国人という切り口を通じて、私たち自身の生活や文化、考え方や生き方を見直す良い機会となりました。

■プログラム概要 

日時:平成29年1月11日(水) 18:45~21:00
会場:区民センター フミコム
参加者数:23人
テーマ:YOKOSO文京~外国人の方々との交流とおもてなし~ゲスト:
○「留学生を街で受け入れるために、私たちができることは?」
~原田麻里子さん (東京大学国際センター)
○「シェア経済の仕組みを、「おもてなし」に どう活かすか?」
~米倉圭亮さん (株式会社Huber. マネージャー)

■ストーリートーク(話題提供者からの問いかけ)とミライセッション(対話)からの気づき

◇「留学生を街で受け入れるために、私たちができることは?」
~原田 麻里子さん (東京大学国際センター)

原田さんは、東京大学に在学する外国人留学生のお困りごとに対応する「よろず相談」の窓口を担当しています。外国人の方が、観光ではなく地域で暮らすに当たり、不便に感じていることは何か?私たちにできることは何か? 外国人が文京区で暮らすことのアピールポイントは何か?外国人の方が文京区で暮らしてよかったと思えるようにするためにきることは何か?をお話いただきました。
外国人の方がまちに溶け込むには、三つの壁、すなわち「言葉の壁」、「習慣の壁」、そして「心の壁」が存在するとのことです。
「言葉の壁」は、日常的に使用する言語の違いで、「習慣の壁」は、幼少期から暮らしてきた生活文化の蓄積から生じる違いです。そして「心の壁」は、目に見えませんが多文化交流を阻む最大の要因となる違いです。
今回の対話では、これら三つの壁を乗り越え、区民と外国人の方の交流を促す為のアイデアを話し合うため、原田さんから対話のテーマとして「外国人が住みやすい街として、文京ならでは “だから文京! ぜひ一緒に暮らしましょう!” のセールスポイントをつくってみるとしたら? また、そして、その担い手の一人として、あなたなら、なにができる?」が挙げられました。

【対話の内容】

・外国人にとって、コミュニティに参加するための方法がわかりにくく、また、外国人の方の目線では、町会掲示板に貼り出された掲示物が日本語しかないのも不便です。そうした意味で、外国人の暮らしやすさ、バリアフリーに配慮する余地がもっとあるのではないでしょうか。
・「言葉の壁」は、外国語を完璧に喋ることができなければ外国人との交流は不可能という思い込みです。身振り手振りでも何とかなることがあるのに、もったいないという感想がありました。一方で、「外国人の交流」を外国語習得の機会と考えることの危うさについても指摘があり、外国人の方に寄り添うことが大切です。
・「習慣の壁」は、異なる文化の中で暮らしてきたことが原因で、ご近所トラブルに発展する可能性があります。しかし、外国人も日本の習慣を知らないから理解できないだけで、多くの場合説明すれば理解できるため、丁寧なコミュニケーションが必要ではないでしょうか。
・一番大きいのは「心の壁」であり、これはルールや法律ではなく、区民一人ひとりの気持ちの問題ではないかという意見もありました。

【原田さんより】

自分自身が、地域(文京)で外国人とかかわる活動を始めたのが20歳代後半。その当時、自分の中で「もぞもぞ!」していた「なにかしたいなあ・・ 」の芽は、今よりずっと「特別な存在・・かかわらずに済めば・・」だった外国人の問題を知るにつれてどんどん膨らみました。今回、皆さんに会い、そんな頃の気持ちに立ち戻ったひとときでした。
様々なバックグラウンドや「やりたい気持ち」を持つ皆さんが、なにかしら、隣人としての外国の方々に興味をもち、彼らを仲間として受け入れていく ”場” ”しくみ” をつくる動きをしてくださったら、百人力!そんな温かさと、エネルギーを感じました。
文京に住む外国人の方々がずっと皆さんの身近になっている中で、でもまだ距離感があるのでは?「文京ならでは」の住みやすい共住の仕組みづくりの”芽吹き” を一緒に大切にしていきたいです。そんな時間の共有に感謝します。

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◇シェア経済の仕組みを、「おもてなし」に どう活かすか?」
~米倉圭亮さん (株式会社Huber. マネージャー)

カーシェアやコインランドリーなど、シェアの仕組みは昔からありました。しかし、近年インターネット・SNSの発達により、シェアの仕組みが様々な分野に応用されてネット上でのマッチングが行われ、シェア経済と呼ばれる経済活動が勃興しています。国や地方公共団体も従来の経済活動を補完する動向としてシェア経済に注目しています。そして観光分野では株式会社Huber.が名乗りを上げ、日本人学生と外国人留学生が協力して外国人観光客を友達感覚でおもてなしするという新たな事業を展開しています。
米倉さんは、英国留学後、通訳案内士の資格取得などを経て株式会社Huber.に参加し、同社の友達感覚おもてなし事業“TOMODACHI GUIDE”を統括しています。
日本は観光資源が豊富であるものの、言語の壁が大きく立ちはだかり、訪日客は日本の魅力に十分辿り着けておりません。言葉の壁のため日本人の多くが英語を話せない、情報不足のため地域の魅力や行き方が分からない、画一体験しか提供できないことによって多様なニーズに対応できない、といった課題が存在します。
株式会社Huber.は、観光分野にシェア経済の仕組みを導入し、国際交流したい日本人(大学生や留学生)とガイドされたい訪日外国人のマッチングサービス“TOMODACHI GUIDE”を構築することによって、上記課題の解決を図っています。ここでシェアするのは観光ガイドツアーを一緒に楽しむ感動体験です。訪日外国人観光客を遊び仲間としてもてなし、彼らの要望を実現します。旅前にはオンラインで旅程を事前に相談し、旅中には現地で合流してローカルトリップを楽しみ、旅が終わっても高確率で友達関係を維持できます。“TOMODACHI GUIDE”のスキームは、今までの観光の常識を覆し、新たな価値を創造する可能性を秘めています。
なお、ガイドは必ず2人1組のペアガイドです。2人1組になることによって、通訳案内士法への抵触を回避できるとともに、トラブル防止の効果が期待できます。
さて、“TOMODACHI GUIDE”のガイドは大学生や留学生を対象としていますが、地域住民であってもガイドへの参加は不可能ではありません。これは地域課題というより、新たな地域活動への提案です。Huber.の米倉さんからは、対話のお題として「地元の人がガイドとして活躍するために必要なことは?」が挙げられました。

【対話の内容】

・画一体験しか提供できない典型例は、中国人の方向けの買い物ツアーです。必ず特定の免税店に連れていかれ、本当に行きたいお店は1店程度ということが多くあります。もっと、丁寧なおもてなしをして、良い体験を提供できれば、海外の方のSNSを通じて良い口コミが広がるのではないでしょうか。
・1対1でのおもてなしをすることで、相手と仲良くなり、相手が親日派になり、結果として、国際協調や平和に繋がる可能性が考えられます。
・地元の人がガイドをするときは、若い方だけでなく、ブラタモリ的な年配者=町が好きな人を混ぜるとよいのとのアイデアも出ました。
・海外旅行でスロベニアに行ったとき、地元の人が連れて行ってくれた地元の方ならではの観光が大変よかったです。日本でも、地元の人によるおもてなしをすれば、満足度が高くなるのではないでしょうか。
・商店街の無い国の方にとって、商店街巡りは立派な観光です。視点を変え、発掘すれば、日本人が思いもよらないような観光資源がたくさんあります。日本人にとっても、海外のスーパーマーケットが面白いように、日常生活の中に「その国ならではの面白さ」があるとの意見もありました。
・坂道、古民家、満員電車体験、ドヤ街など、アイデア次第で観光資源になります。町探検は後からの気づきが多く、日本人も案内することで、地域との繋がりもできてきます。マンション住民にとってもガイドは地域参入のきっかけになります。子どもたちを巻き込んだ活動をするとよいのではないでしょうか。
・一方的におもてなしをするだけでなく、ガイドも一緒に気軽な体験を共有することで、お互いの共感が増し、理解が深まるといえます。
・普段からの経験・体験や人間関係の深さが、おもてなしの質の向上に直結します。

【米倉さんより】

ミライ・カフェを通じまして、地域の皆様とふれあい、活発な議論を交わすことが出来、今まで直接肌で感じることのできなかった地元の方々の意見を聞くことが出来ました。
また、文京区には東洋大学などのSGUもあり、学生が活躍できる舞台が整っていることも相まって、老若男女問わず地域が一体となり突き進んでおり、今後の日本のインバウンド分野での成長には地元の方々の活躍がより一層必要になってくるということを実感する良い機会となりました。

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◇「 海外の人と一緒に取組みたいこと、やってみたいことは?」

3番目のテーブルでは「海外の人と一緒に取組みたいこと、やってみたいことは?」をテーマとして対話しました。

【対話の内容】

・海外の方のおもてなしといっても、特別なことや構えるのではなく、「日常の日本」を知りたい方が多いのではないでしょうか。自分も海外に行ったら、その国の暮らしを知りたいので、同じだと思います。日本の食卓や居酒屋といった日常生活、暮らし方(ごみのクレイジーな分別など)も色々興味を持ってもらえると考えられます。
・一緒に楽しむというのもよいのではないでしょうか。お膳立てばかりするのではなく、お互いの理解のために料理を作り合うなども一つの手ではないでしょうか。また、日本人も、地元のお祭りの由来や、伝統芸能など知らないことが多いです。そのため、海外の方といっしょに楽しむことで、日本人も勉強したり、日本の魅力を再発見するチャンスになる可能性があります。
・留学生は、週末など一人でさびしいことが多いです。そうした時に交流できる場所があるとよいのではないでしょうか。また、日本語を勉強しているので、子ども向けの昔話や、比較的分かりやすい日本文学の読書会なども興味を持ってもらえます。

■対話の様子

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■参加者の声

・仕事をしながらでも、細切れ時間を使ってできることもありそうだと思いました。地域の魅力を発見して伝えたいと思いました。
・海外の方は、何気ない普段の生活に興味があることに気づきました。
・日本文化に一緒に触れることは、自分自身としても日ごろから出来ていないことなので、体験することに興味もあるし、それが海外の方との交流にもつながるものであればよい機会だと改めて感じました。
・地元を海外の方に紹介するとき、一人でやらなくても、地域の高齢者の方に質問していくというやり方もあり、それは、自分自身が地域とつながるきっかけとなるのではと思いました。

 

 


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