【開催レポート】12月の文京ミライ・カフェ 「なんでも話せる仲間をつくろう!」


12月13日、文京ミライ・カフェ「なんでも話せる仲間をつくろう!」を開催しました。活動支援コーディネーター養成講座受講生による、企画・運営の第1弾です。

受講生の2人が哲学カフェの実践者であり、忙しい日常で、ちょっと後回しにしがちな「大切なこと」を話せる場を地域に増やすことで、地域に新しいつながり方ができる場を増やしたいと考えたことから、今回の文京ミライ・カフェは本テーマとなりました。

区内の大学で、社会哲学がご専門である古市先生からの話題提供と、受講生2人の活動紹介や活動する想いについての話題提供後、参加者の皆さんに「哲学カフェ」を体験していただきました。「哲学カフェ」とは、ひとつのテーマについて、様々な人の話を聞いたり、自分の考えを話したりする「共に考える場」をいいます。

■プログラム概要 

日時:平成28年12月13日(水) 18:45~21:00
会場:区民センター フミコム
参加者数:14人
テーマ:「なんでも話せる仲間をつくろう!」
ゲスト:
・「おとなてつがく」 古市太郎氏(文京学院大学 人間学部・助教 社会哲学)
・ちいさな哲学者たち「こどもとてつがくしよう」 菰池依里さん
・読書と対話の会「14歳からの哲学」 成瀬知詠子さん
・企画・運営:活動支援コーディネーター養成講座受講生 桑田一彦/野村美奈/菰池依里/成瀬知詠子

■ストーリートーク(話題提供者からの問いかけ)

1)「おとなてつがく」~古市太郎氏(文京学院大学 人間学部・助教 社会哲学)

まず、ゲストスピーカーである古市太郎さんから、日本には、ニーチェやカントなど西洋哲学者についての研究を哲学だと思っている人が多いが(こうした考えは日本特有)、本来は「それってどういうことだろうと考える」こと自体が「哲学」であるという話がありました。それは、今回の文京ミライ・カフェで提示したい「哲学」であり、例えば、「いじめ」や「死」も子どもにとっての限界状況であり、「こどもの哲学」といえども「おとなの哲学」と違いはなく問題を共有し得る。しかし、「常識だと思い込んでいる」ことを疑えたり、「ルールの異議を申し立てる」ことができる点が「おとなの哲学」とお話いただきました。「考える」を、フランス語で「パンセ」といいますが、語源は「重みをはかる」であるというお話もあり、大変興味深いものでした。

2)哲学カフェの実践者からの話
~ちいさな哲学者たち「こどもとてつがくしよう」 菰池依里さん/読書と対話の会「14歳からの哲学」 成瀬知詠子さん

受講生の二人からは、自分たちの活動紹介とそれを実践している想いについて話がありました。菰池さんは、フランス映画「小さな哲学者たち」を見たときに、4~5歳の子どもたちが友情や愛について真剣に考えている姿に感銘を受け、日本の子どもたちにも「なぜ?」という問いかけだけに終わらず、探求する姿勢を身につけてもらいたいという思いから「こども哲学」を実践しています。また、成瀬さんからは、一つの本「14歳からの哲学」との出合いが、自分がこれまで思っていた人生の様々な疑問を、他にも感じている人がいるという安堵感となり、それを多くの人と共有したいという思いから「読書と対話の場」を実践していることが話されました。

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■哲学カフェ体験(ミライ・セッション)

普段の文京ミライ・カフェでは、お題に対する対話をしますが、今回は、「哲学カフェの体験」として、「友情とは何か」について、対話を行いました。また、哲学カフェの参加に際して、以下のルールを提示しました。

・まず、人の話をよく聞きましょう。
・人の話を頭ごなしに否定するのはやめましょう。
・哲学的な用語をつかわず、自分の言葉でわかりやすく話しましょう。
・話したくない人は、聞いているだけで大丈夫です。

3つのテーブルに分かれての対話でしたが、それぞれのテーブルで和やかな話し合いとなりました。また、それぞれの視点で深い議論ができました。思っていることを口に出すことで、参加者同士の共感も生まれ、地域でつながる一つの場作りの方法として可能性を感じました。

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【ファシリテーションを行ってみて~受講生の感想】
○菰池依里さん

「全くの偶然で出会った人々が、お互いの背景を構うことなく対話に徹する。」それが哲学カフェの醍醐味です。今回の対話の問いは、「なんでも話せる仲間を作ろう」というイベントのテーマに即して「友達」についてでした。私は、自分の娘から出た言葉をヒントに「友達は数なのか、それとも質なのか」という問いを投げかけました。そもそも、友達に「質」などあるのか?「質」を考えてしまう人は本当に友達と呼べるのか。という意見から、やっぱり「数」も必要ではないか、社交的な人は社会に出ると友達作りが上手、といった個人の経験に基づく意見が出てきました。また、話はSNS上の友達の在り方にも拡がっていきます。会ったことがなくても、実際の友達より気が合う人がいます。しかしその一方で、現実の連絡先を知らないため、何か「違うな」と感じたらアカウント上で容易に関係を断つことができる気軽さを合わせ持ちます。それが心地いいという人、違和感があるという人、様々な意見が聞かれました。答えも結論も出ないけど、モヤっとしたり、他の人の意見に心から納得したり、たった1時間の対話でしたが、参加してくださった皆さんが哲学カフェというものに触れたという実感を持っていただけたのであれば嬉しく思います。

○成瀬知詠子さん

高校生の時に、先生から「高校生の時の友達は一生の友達で、大人になったらなかなか友達はできない」と言われたことがずっと記憶に残っています。高校生の時にできた友達とは疎遠になっており、大人になってからできた友達のほうが話したいことが話せたり、気楽であったりするのですが、皆さんはどうですか?という投げかけから対話が始まりました。高校生の時の友人とは、今でもSNSでつながっているという人も、「その人たちは友達か?」と訊ねられると「どうだろう…」と考え込んだり、改めて「友達とは?」を突きつけると「親友と言える人は、そういないかも…」という声も聞かれます。この日は、友達をめぐるエピソードを一人ひとりが話すところで終わってしまいました。「友達はいないかも」と言えることは「友達の理想形」がそれぞれにあるのかもしれません。どうであれば友達なのか、友達ってよく考えてみるとどういう存在なのか。友達、親友、知り合いなど、こうした名称の区別は無意識に行っているもので、どういうところで違いを見出しいるのか、一人ひとりの考えを改めて伺う機会があればと思っています。

■参加者の声

・これまでに一つのテーマで会話をすることがなく新鮮でした。
・またこういう機会があれば参加したいです。

今回の哲学カフェの企画運営チームでは、企画段階で、続けることが大切だと話し合い、「文京ブンブン哲学」と名づけ、場を持ち続けることといたしました。文京ミライ・カフェの対話は、Vol.0とし、第一回目を、本郷三丁目のスペースで開催しました。今後も継続的に開催されていくことが期待されます。

 

 


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