【開催レポート】10月の文京ミライ・カフェ 「文京区の地場産業と 街のつながりを考える」


10月12日に、文京ミライ・カフェ「文京区の地場産業と 街のつながりを考える」を開催しました。3つの分野の業界の方からの話題提供、問題提供の後、各テーブルで対話をしました。

■プログラム概要 

日時:平成28年10月12日(水) 18:45~21:00
会場:区民センター フミコム
参加者数:24人
テーマ:文京区の地場産業と 街のつながりを考える
ゲスト:
○「印刷産業のこれまでと今後」
~利根川英二さん (東京都印刷工業組合文京支部長 /株式会社TONEGAWA 代表取締役社長)
○「医療機器産業のこれまでと今後」
~大野修嗣さん (日本医療機器協会理事/大祐医科工業株式会社 代表取締役)
○「伝統工芸品の新しい可能性」
~高橋由貴子さん  (株式会社高橋工房 江戸木版画)

 ■ストーリートーク(話題提供者からの問いかけ)とミライセッション(対話)からの気づき

◇「伝統工芸品の新しい可能性」 ~高橋 由貴子さん   (株式会社高橋工房 江戸木版画))

高橋さんは、江戸時代から続く江戸木版画の刷り師の工房を守りつづけています。本業以外にも、江戸木版画を紹介する活動も積極的にされています。活動をしていると、多くの方が昔ながらの方法を守りバレンを使って刷りの仕事をしているという事実にびっくりされるそうです。まずはそういう事実を知り、本物のよさ(色や手触りなど)を感じてほしいと思っていらっしゃいます。
また、日常の中に伝統工芸品を取りいれることも大切であるとお考えであり、新しい商品開発などにも取り組まれています。その他に、職人を育てる難しさについてもお話がありました。バブル時代に就職した世代の職人さんがいない中、若い人を預かり行儀見習いをさせ、親方にお願いするといった後継者を育てる活動も地道にされています。
さらに、ホテルでの講座やインバウンド対策など、新しい取り組みにも精力的に取り組んでいらっしゃいます。
そうした状況を受けて高橋さんからは、お題として「伝統工芸の可能性について、また、支える人のすそ野を広げるには?」が挙げられました。まずは職人さんを増やすというより、伝統工芸品に興味を持ってくれる層を広げ、そこから将来的に職人の道を目指す人がでてくるとよいと思っていらっしゃいます。

【対話の内容】

・浮世絵というと、絵師ばかりが注目されますが、版元が昔からプロデューサー的な役割を担っているそうです。今も、スターウオーズや初音ミクとのコラボなどの新しい取組みを実際にされているそうです。こうした話を参加者の方は、大変興味深く聞いていました。
・「本物」を知ることが大事ではないか。それは、ガラスの中の作品ではなく、触ってみて、絵の裏をみて作り手の息吹を感じる体験があれば、もっと興味を持ってもらえるのではと高橋さんも考えていらっしゃいます。ディスカッションの場では、実際に手にとって触らせてもらい、皆さん、浮世絵の厚みやでこぼこしている感触に感激していました。こうした体験を通じて、もっと身近なものになるのではないかという話になりました。
・高橋さんは、伝統工芸普及のためにNPOも立ち上げていますが、高齢者ばかりで活動がままならないといった状況についても話されていました。それを聞いて、手伝ってみたいという参加者も多くいました。

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◇「医療機器産業のこれまでと今後」~ 日本医療機器協会 より)

日本医療機器協会(https://jmia.or.jp/)の大野修嗣理事(大祐医科工業㈱代表取締役)より、医療機器産業の歴史や現状などについてお話がありました。代々医療機器を取り扱う家に生まれた大野理事の幼少時代の昔の写真なども見せていただきながら、なぜ、文京区で医療機器産業が地場産業として発展しているのかお話いただきました。また、現在もメディカルヒルズ本郷として多くの医療機器関連事業者が集積していること、産業全体としては、海外製品との競合に苦戦していること、新しい取り組みとしてものづくり企業との連携の動きがあることなどもお話いただきました。
また、区民の方との交流事業として、ぶんぱくへの出展や、地域の中学校への出張事業なども協会として取り組んでいます。
大野さんからは、対話のお題として「医療機器協会や医療機器産業のイメージ・可能性は?~今後、一緒にどんな活動ができるか」が挙げられました。

【対話の内容】

・日本の職人が作る品質のよい手術用の器具が苦戦している状況や、職人さんの減少により危機的な状況にあることなどを今回初めて知ったという人も多く、このような状況を情報発信してもらいたいという意見が多くありました。
・子宮がんの摘出に使用する鉗子の職人さんが亡くなり、日本では誰も作る人がいなくなったという話も大野さんからありました。どんなに医療診断や医学が進歩しても、最後にはそうした手術用の器具が重要であり、我々の健康や命は職人さんに守られていることがわかり、改めて感謝したい。そうした職人さんを応援したい。といった声も多くあがりました。
・地域のものづくり企業もネタを探しているため、そうしたものづくり企業との連携によって、医療機器業界だけでなく、日本のものづくり産業のメリットになるのではないかという話もありました。
・こうした話は一般の人だけでなく、特に今後、医師となる可能性の高い高校生などにも知ってもらうべきではないかといった意見もありました。

【大野さんから】

・これまで、業界外の方とお話する機会はありませんでした。対話の中で、医師を多く輩出している高校へのアプローチや職人の情報発信など、新しいアイデアや視点をもらうことができました。ぜひ、また、こういう機会を持ちたいと思いました。

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◇「印刷産業のこれまでと今後」 ~利根川英二さん (東京都印刷工業組合文京支部長 /株式会社TONEGAWA 代表取締役社長))

利根川さんからは、グーテンベルグの印刷機の発明が世界3大発明であり、人類の歴史を大きく変えたという自負が印刷業者にはあるといったお話や、文京区で印刷業が発達した歴史的経緯、文京区でも印刷業が減少しつつあるというお話がありました。また、これまで、印刷業はどうしても受注産業として受身にならざるを得ないという業界でしたが、今後は、新しい時代の中で、情報発信やコンテンツ提供もしていくべきであるといったお話もありました。
そうした取り組みのひとつとして、利根川さんがNPOを立ち上げ取り組んでらっしゃるマーチングの活動(地域の風景をイラストとして残し、それを地元の商品ラベルや絵葉書などにして発信していくという取り組み)のお話もありました。
こうした話から、利根川さんからは、「もっと歴史を理解し、私たちの文京区を世界中に発信するには?」といったお題が挙げられました。

【対話の内容】

・「文京区の歴史を知るには?」では、文京区の歴史を大きな絵と簡単な文章で紹介するファミリー向けの展示会や利根川さんがガイドとなって文京区の見どころを案内する屋外イベントなどのアイデアが出ました。
・「文京区を世界に発信するには?」では、参加者の方の中に、ウィキペディア上で、文京区の説明を充実させた方がいらして、その英語版をつくるなどのアイデアや海外の風景を描いた「マーチング」の切手をつくるなどのアイデアが出されました。

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■会場の様子

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 ■参加者の声 

・大変興味深い話ばかりでした。もっと自分の住んでいる街を理解することに努力をしなければと思いました。
・地場産業もおもしろいと知りました。もっと色々なことに興味をもってみたいと思いました。


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