成果検証会議委員からのメッセージ


文京区新たな公共プロジェクトには、どのような可能性があるのか?
成果検証会議委員からのメッセージ(概要版 あとがき)を紹介します。
また、成果検証会議の「あとがき」については、こちらからPDFでダウンロードできます。

検証会議委員の佐藤氏、井上氏、加藤氏は、12/11開催のフォーラムにもご参加いただきます。> こちら

佐藤真久委員長(東京都市大学環境学部教授)

複雑化・多様化する社会課題を有する地域社会においては、区が設定した行政課題に対する対応ではなく、区民自らによる地域課題の発見と捉え直しが必要とされています。さらには、従来の資金提供に頼らない多様な主体による協働、集合的・自立的・継続的な「協働成果」(アウトカム)を生み出す協働を仕組みとして定着させることが必要とされています。今回の取組は、事業の直接的な結果だけでなく、地域の参加や相互支援の文化づくり等に豊かな結果が生まれており、近年、国内外で注目の高まっている協働プロセスの重視型のモデルとなる多数の要素が含まれています。ぜひとも「自治体と地域の担い手が学び合う協働のあり方」として、今後の関連施策の検討に役立つことを期待いたします。

手塚明美副委員長(NPO法人藤沢市市民活動推進連絡会 理事・事務局、恊働コーディネーター)

藤沢市での協働取組に市民の立場から関わってきた私にとって、今回の取組で興味深く思うのは、ステージ毎に参加が選択できたり、途中から参加できたりする仕組みがあることです。それぞれのステップで選択肢があり、それぞれで選ぶ自由があることで、多様な人たちが関わる仕組みになっています。アーンスタインの「住民参加のはしご」やハートの「子どもの参画のはしご」にあるように、協働は、形式的な参加から枠内の協働を経て、市民主体にステップアップしていくものです。今回の文京区の取組は、参画のはしごの最上段、地域住民が主体的に動き始め、そこに行政も参画するという動きへの挑戦であり、この動きが成熟していくと協働の先進的な取組になるでしょう。

井上英之委員(慶應義塾大学特別招聘准教授、INNO-Lab International 共同代表)

2011年の「文京区新たな公共の担い手専門家会議」から、5年強にわたるこの取り組みにご一緒させていただきました。当初、コンセプトでしかなかった、「どこかのすごい人」ではなく、文京に潜む小さなヒーローが浮かび上がっていくプロセスは、この3年間のたくさんの文京区の方々のご協力や予想もしなかった連携によって、見事に、数々の事例とともに、この地に潜む可能性を実証して下さいました。誰かに与えられたお題ではなく、自らの日々の「気になること」から、それを発信し、仲間をつくりながら何かを始める。その小さな火種の進化に、行政こそが「参画する」というプロセスが、最も現状を変えうる、生き生きした協働のプロセスとして効果的であることを、私たちは学びました。まだ、日本にも世界にもこうした試みに正面から取り組む事例は多くありません。ここで得た学びや課題は、やってみて初めて分かった大切な収穫でもあります。「新たな公共プロジェクト」は、区が設置した「専門家会議」から始まりましたが、主役はすでに、区民のたくさんの方々の手に移っています。文京の区民や民間の事業者、区役所のみなさんが、この3年間の経験から、どんな新しい未来を実現していくのか、とても楽しみです。

加藤良彦委員(NPO法人風のやすみば代表)

この取組の根底にあるものは「新たな公共の担い手」として社会への関わり方に対する区民と行政の意識変革であり、その上で課題解決への区民の参加だと考えています。この事業に参加した区民の半数が30歳、40歳代の方であり、会場は地域への参画の思いと交流の熱気に溢れていました。また、そこで出会った方のネットワークから新たなプロジェクトが生まれたことは、これまでの文京区にはなかった新しい成果だと考えます。地味に見えますが、壮大なソーシャルイノベーションは始まりました。区民・行政の主体的な諸問題へのアプローチ、問題解決から温かく豊かなそして活き活きとした地域社会を築き、ひいては文京区の個性として定着することを願ってやみません。


Check Also

【開催レポート】 3/10、3/15 活動ブラッシュアップ講座 「ソーシャルキャピタルを活かした活動づくりの実際」

地域に根ざした活動を持続的、発 …