【開催レポート】8月の文京ミライ・カフェ「アートから、つながろう」


8月10日に、文京ミライ・カフェ「アートから、つながろう」を開催しました。4人の地域活動実践者の方からの話題提供、問題提供の後、各テーブルで対話をしました。。

■プログラム概要 

日時:平成28年8月10日(水) 18:45~21:00
会場:区民センター フミコム
参加者数:21人
テーマ:「アートから、つながろう」
ゲスト:
○「神田川アートブロッサムでまちとつながる」
海田修平さん (神田川アートブロッサム 実行委員長)
○「やってみよう! はじめてのアート」
川原知佳さん (東京アートアカデミー)
○「仏像彫刻が生み出していること」
小野貴弘さん (NPO法人仏像彫刻美術院)
○「アートのある居心地のいい空間とは?」
若山和子さん(ケープルヴィル写真館&カフェ)

■ストーリートーク(話題提供者からの問いかけ)とミライセッション(対話)からの気づき

◇「神田川アートブロッサムでまちとつながる」
~海田 修平さん (神田川アートブロッサム 実行委員長)

海田さんからは、江戸川橋沿いのアーティストなどと一緒に実施している「神田川アートブロッサム」の紹介(http://kandagawa-artblossom.com/)の後に、もっと地域の人を巻き込んで実施したいが、区境にあるために町会などの協力を得にくいこと、参加者としてだけでなく主催者側として参加してくれる人が少ないことなどの現状の課題について話しがありました。
そこから、参加者と話し合いたいお題として、「あなたができることは何ですか?」という問いかけがありました。

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【対話からの気づき】
・なぜ、地域のイベントして、アートに拘るのかに対する議論がありました。アートだからこそ集まる人もいるという一方で、海田さんは、アートを絵画などだけでなく、建築や何かものをつくる、音楽を楽しむなど幅広く捉えています。この活動自体もアートだと思っているので、広い意味でのアートにフォーカスするのがよいのではということになりました。
・春以外にも秋にも実施したらよいのでは? Tシャツなどの物販などもあるのでは?と、イベントの拡大に向けていろいろなアイデアが出されました。

【海田さんより】 
神田川アートブロッサムは、文京区の端っこでやっているわけですが、区境なのでなんとも中途半端なエリアだと思っていました。今回の文京区のカフェで、谷根千もそうだということに改めて気がつきました。区境が面白いと、勇気が湧きました。
また、江戸川橋が都電の終点だったということは知っていましたが、それも歴史なのだと認識できました。歴史というとどうしても江戸時代以前の話だと思いがちですが、ほんの数十年前も歴史なのだなあと。それを切り口にしてみるのは面白い気がしました。
僕はアーティストではないので、狭義の「アート」に縛られることなく、これからも面白いと思う事はなんでもやっていきたいと思います。

◇「やってみよう! はじめてのアート」
~川原 知佳さん (東京アートアカデミー)

川原さんは、気軽にアートが楽しめる場があればいいのにという気持ちから、本郷で初心者から経験者まで楽しめる絵画教室の東京アートアカデミーを立ち上げています。
(http://kawaharachika0724.wixsite.com/tokyoartacademy)
また、地域で起こっている引きこもりや一人暮らしの高齢者の問題の解決や、地域でのつながりのひとつとして「アートを楽しむ」があるのではという思いから、自分たちの教室に気軽にきてもらいたいと思っています。そこで、参加者と話し合いたいお題としては、「気軽に来てもらう為に、どうやって地域の方々の認知度を上げればよいか」が挙げられました。

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【対話からの気づき】 
・アートから遠ざかる原因として、学校という環境要因(点数をつけること、何か正解があることを前提にした教育方針等)が、大きいという認識で一致しました。
・気軽にアートに手を出せない原因として、道具が高かったり、使い方が難しいことがあります。道具をレンタルしても、使い方がわからないとハードルを下げることにつながらないので、例えば、クーピーのように安全で使いやすい子供向けの道具を取り入れるのも方法としてはよいのではといった意見がありました。
・最近、美術館に行く人が増えています。しかし、メディアで取り上げられた話題作品の周りに人が群がる一方で、それ以外の作品は見向きもされない傾向にあります。また、美術館自体が混雑することもあって、ゆっくり鑑賞する余裕もないことが多いです。
・最近は、企業研修にアートを取り入れたプログラムも増えてきて、人々がアートに触れる機会は全体的に増加してきているのではないでしょうか。

【川原さんから】
自分たちが思っている以上に、アートに対するハードルが高いことを知りました。美術関係者の当たり前が当たり前でないことを知りました。
自発的に集まった区民の方々が、様々な立場、想いをざっくばらんに話す事で話が進んだり、色々なアイデアが浮び、発表した時には無かった思考の転換や今まで考えた事も無かったコトに気づかせていただけ、とても良い機会となりました。今回いただいたご意見を参考にしながら、取り組んでいきたいと思います。 個人事業主ゆえ1人で試行錯誤している為、煮詰まったり出口が見つかり難いのですが、参加して元気と勇気をただきました。ありがとうございました。
日常では中々出会わない方々と会い、対話できるこの様な企画、取り組みは素晴らしいと思います。

◇「仏像彫刻が生み出していること」
~小野 貴弘さん (NPO法人仏像彫刻美術院)

小野さんの仏像彫刻美術院は、宗教に関係なく仏像を彫ることを楽しむ団体です。上手でなくても自分だけの仏像を彫ることで心が豊かになることを目指します(http://drno.cocolog-nifty.com/)。仏像彫刻というと、宗教関係者と思われたり、すごく特殊なことだと思われることが活動をする上での課題と感じています。そこで、メンタルケア 、ライフケア、コミュニケーション、アートといった視点から、「仏像彫刻・宗教芸術をどのように生活に役立てて行ったらよいか」がお題として挙げられました。

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【対話からの気づき】
・仏像彫刻を「もの」として考え、飾る、鑑賞するだけでなく、「つくりながら楽しむプロセス」として、写経や瞑想のように自分に向き合う時間をつくるというメッセージを打ち出すのもよいのではないかといった意見がありました。
・「仏像をつくる」というと少しハードルが高いと思われます。文京区は、昔、江戸の鬼門といわれ、お寺が多いので、まずは、お寺めぐりを入口として、仏像などの文化にふれる機会をつくるのもひとつの方法としてあるのではというアイデアも出されました。
・仏像彫刻は、一人でもできる、みんなでもできるところがよいところであるということがわかりました。そこで、共通の興味のもとに集まった人たちでコミュニケーションが取れる点を、活かしていくことがもっと必要ではないかといった意見も出されました。

【小野さんから】
自分たちが思っている以上に、一般の方にはハードルが高いことをやっているのだということに気づきました。もっと、多くの方が、普通にお寺に仏像を拝みにいって、仏像にもっと興味を持ち、彫刻をすることで、心の安らぎを得られるようになればよいと思いました。

◇「アートのある居心地のいい空間とは?」
~ 若山 和子さん(ケープルヴィル写真館&カフェ)

若山さんは千駄木で、70年前の古民家を改造した写真館とカフェを運営しています。数々の有名アーティストをとった写真家でもある若山さんは、日常の中のかけがえなのない時間を大切にという思いから、写真館とカフェを運営しています。アートを通じて、大人も子供もどんな世帯の人も、相互に配慮し合うことで共存できるのではないかという考えも持っており、その中で、お題として、「アートのある日常はわたしたちの日常にどのような影響があるのか、そして、一般のみなさまが受け手として、アートの発信者に求めること、期待することは?」という問いかけがされました。

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【対話からの気づき】
・アーティストに対しては、一般の方は高尚なイメージを持っているので、日常生活の中でハードル低く出会えるのはありがたいことです。しかし、やはり、プロから受けるサービスや、触れるアートは本物であってほしいという思いが強く、そこがアーティストに求めるところではないかといった意見がありました。
・対話をする中で、アートといっても、対人間の気持ちのようなものが大切であることがわかりました。たとえば、写真であれば、相手を知りたい、よさを引き出したいなど、それは人間関係と同じではないかという気づきもありました。
・温かみがあり、アートを感じられる空間は、アートにちょっとでも関心がある方には心地よい空間です。アート好きが集まることで、それらの空間が、さらにアート好きの人を集め、心地よいものとなっていくという構造があることもわかりました。
・カフェでなく、写真館もいっしょに運営していくことで、経営的にも相乗効果があるとともに、アートをコンセプトとしたカフェとしての特徴が出せるというメリットもあります。そうしたやり方は、居場所づくりや、地域のカフェなどをしたい方の参考になりそうです。

【若山さんから】
皆さんと対話をして、多くの方に、自分の活動に興味をもっていただけたことをうれしく思いました。アートで利益を上げるのは難しく、経営者として悩むこともありますが、みなさんの「行ってみたい」という声を聞いて、今後もやっていく自信となりました。会社として事業的にも成長し続け、地域の中に自分のアートと、心地よい空間を提供、発信し続けられるようにしたいと思います。

■対話の様子
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■参加者の声

・アートの活動やイベントなどに参加してみたいと思いました。
・今、アート関係の活動をしていますが、これを続けていこうと思いました。
・実際に、イベント、スクール、店舗など活動されているのがすごいと感じました。まずは自分でできることというより、参加できることに参加して、自分のできることを見つけたいと思いました。
・知らなかったアートスポットを知ることができ、参考になりました。

 

 

 


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