【開催レポート】(7/10)文京ミ・ラ・イ対話「スポーツからはじまるコミュニティづくり」


7月10日、文京ミ・ラ・イ対話「スポーツからはじまるコミュニティづくり」第1セッションを開催しました。
文京ミ・ラ・イ対話は、年間を通して「地域課題を知る」「解決策を考える」「解決策を深める」という3つのセッションで議論を深めていきます。第1セッションでは第一歩として「地域課題を知る」を目的に対話を行います。

当日は文京区内外から30名の方が参加し、「スポーツからはじまるコミュニティづくり」をテーマに、実践者の方のお話や、文京区の課題と取り組みの話を聞き、参加者同士がスポーツと地域づくりについて対話しました。

当日は、下記のプログラムで行いました。

1.イントロダクション
2.ゲストトーク
石井邦知さん(きゅぽらスポーツコミュニティ代表)
「地域のつながりづくりにスポーツを活用する理由」
3.文京区の現状と取り組み
・地域スポーツ活動の担い手について(アカデミー推進部)
・中高生世代の育成について(男女協働子育て支援部)
4.地域課題を探る対話
・話しあうべきお題は?
・地域の生活や仕事で感じる課題は?
・まとめ

1.イントロダクション

文京区の境野協働推進担当課長より、文京区「新たな公共プロジェクト」について説明を行った後、「スポーツから始まるコミュニティづくり」及び対話の進め方について、事務局の広石((株)エンパブリック)より説明を行いました。

2.ゲストトーク

ゲストは、きゅぽらスポーツコミュニティ代表の石井邦知さんです。石井さんには、埼玉県川口市で、地域のつながりづくりにスポーツを活用する事業に取り組んでいます。

◎きゅぽらスポーツコミュニティ石井さんの話無題

石井さんは2011年2月にきゅぽらスポーツコミュニティの活動を開始し、今年で3年目になります。高校までは野球少年で、大学では都市計画を専攻していました。大学卒業後、営業などを経験し、自分の大学での専攻が仕事に活かせていないと考え、まちづくりの道へと進みました。
始めるに当たり、今各地で行われているまちづくりが抽象的すぎて実感のないものであることを懸念し、自分としてはもっと具体的で実感できるものとしたいと考え、自分の身近にあったスポーツをその手段として選びました。今はソーシャルスポーツという言葉を使いながら、大きく2つのカテゴリーでスポーツを使った活動をしています。

1つ目のカテゴリーは、交流型スポーツというものです。異業種交流、国際交流、親子交流の3つを基本としながら、スポーツに参加した人がお互いに交流することを目的としています。2つ目のカテゴリーは、問題解決型のスポーツです。地域には様々な課題がありますが、その課題を、スポーツを通して解決するという斬新な考え方です。

それぞれの活動は、毎月2回程行われます。同じ事をしていても面白くないと、ハロウィンの日に被り物をしてバレーをしたり、大学の部活と連携してスキルアップ講座などを開催するなど、プログラムには工夫をしています。また、活動を多くの人に知ってもらいたいと、屋外の公園でスポーツをすることもあります。親子交流のイベントなどは、のぼりを立て目立つように工夫したりと、集客の面でも知恵を絞っています。通常のスポーツ活動以外にも、みんなで料理をしたりバーベキューをしたり、課外活動も盛んです。課外活動で、参加者からアイディアを貰い、新しい企画が始まることも多いそうです。

活動紹介の後は、活動の成果の説明がありました。まず1つ目の成果は、実際にコミュニティを形成したということです。多世代型、参加交流型のコミュニティを複数形成しており、固定の人が集まりクローズドになりがちな既存の町会などとは違うコミュニティをつくり出しています。また、スポーツを通して他団体との連携も進んでいます。町会、商工会議所、自治体などと協働し、様々な取り組みがなされているそうです。

活動の成果をご説明いただいた後は、今後の課題についてお話いただきました。活動をしていて改めて感じることは、地域活動には若年層が少ない、決まった人だけの参加になりがち、新しい人が入りやすい場所が少ない、ということだそうです。また、スポーツは健康に良いものとしてのイメージはあるが、社会課題の解決につながるというイメージはまだ少なく、活動の趣旨が伝わりにくいことも課題と仰っていました。また、参加者の継続率も課題だそうで、リピート率はおよそ半数ほど、更に継続してリピートする方は20%くらいになるとのことでした。継続して参加する人の特徴は、人と人のつながりを求めている人、気軽にスポーツを楽しみたいと考えている人、主体的に参加することに違和感を持っていない人、とのことでした。

3.文京区の現状と取り組みの紹介

b2

「地域スポーツ活動の担い手について」
アカデミー推進部スポーツ振興課:松本さん

松本さんは、文京区で行ったアンケート結果を基にして、区民のスポーツに対する認識を話しました。アンケート結果によると、文京区ではスポーツをしている人が48.9%、していない人が50.4%とのこと。スポーツをしている方のうち、週1回以上スポーツをしている人は83.4%で、区民のおよそ半分は毎週何らかのスポーツをしているそうです。また、区が行うスポーツ事業等として、スポーツ指導、スポーツ教室、交流ひろば、大会、イベントなどに取り組んでいること、区内のスポーツ団体などについて紹介しました。

そのうえで、スポーツ振興に関する課題として4つをあげています。
1つは、スポーツをするきっかけづくりの問題。スポーツに参加しない方からは、忙しいとの声が多数であり、その対策として、区民の多様なライフスタイルを踏まえた情報発信を行い、問い合わせや相談への対応を強化していく必要があるとのことでした。また、2.スポーツを楽しむ環境をどうつくるか(施設の整備、多様なプログラムの提供)、3.大学やプロスポーツ団体とどう連携するか(観るスポーツ、協働事業)、4.スポーツ振興を支える新たな担い手をどう確保するか(指導者を広げる、指導者の育成)、なども課題としてあげられるとのことでした。

現在は、区と各団体が縦割りで繋がっているとのことですが、これからは各団体が相互につながり、連携していけるように取り組んでいきたいとのことでした。

「中高生世代の育成について」

男女協働子育て支援部児童青少年課 :鈴木さん

鈴木さんからは、地区対及び青少年プラザを中心に説明がありました。地区対は、正式には文京区青少年対策地区委員会といいます。地域における青少年の健全育成を担うのが目的で、設立されて50年の歴史がある地域団体です。地区対は大きく3つの課題を抱えています。1つ目は新しい担い手の不足です。青少年にとって重要な地区対活動ですが、どうしても新しく入ってくる人材が少ないとのこと。2つ目は、子どもの意識を参加から参画に移すことです。ただ、遊び場を提供するだけではなく、子どもが企画・運営に参加することにより、より質の良い活動が期待できます。3つ目は、継続的な取り組みです。子どもたちをリーダーとして育成するため、単発でなく継続的な取り組みも実施してもらうことにより、子どもたちの生きる力が育まれるという説明がありました。

続いて、青少年プラザについての説明がありました。青少年プラザは、中高生の利用に特化した施設で、平成27年4月にオープン予定です。中高生というと、彼らが公園やコンビニにたむろしているだけで煙たがられる時代の中、中高生の居場所をつくることが青少年プラザの目的です。談話スペースや音楽スタジオなどを設置するとともに、文化・スポーツ事業や学習支援事業など中高生の関心のある事業を行う予定です。オープン前には、音楽コンサートなどのプレイベントも開催する予定で、中高生の居場所や新たなコミュニティを形成することが期待されています。

4.地域課題を探る対話

ゲストと文京区担当者の話が終わった後は、会場の参加者で感想の共有を行い、話し合いたいお題を参加者それぞれが書き出し、壁に貼りだしました。
参加者の方々から出されたお題は、
◇活動を継続するには?
◇スポーツに参加しやすいきっかけは?
◇学校・青少年施設をもっと活かすには?
の3つにまとめられ、休憩を挟んだ後、それぞれテーブルに分かれ地域の課題を考える対話を行いました。

b3
参加者があげた話し合いたいテーマ

今回、参加者の方には、地域で体育協会やスポーツ指導員をされている方、NPO でスポーツに取り組む方、ラジオ体操に長年取り組んでいる方など多様な区民参加者に、区役所の職員も混じり、それぞれの経験に基づく活発な対話が行われていました。

b4
対話の様子

対話が終了した後は、それぞれのテーブルであがった課題を各テーブルのファシリテーターが発表しました。

「グループ対話で出された地域の課題」

<活動を継続するには?>

  • 新しいアイディアが既存の組織で採用される
  • スポーツをやるだけではなく観ることへの参加も
  • 子供に主体的に参加してもらう (子供に運営を任せるなど)
  • 一緒にやる人・時間をどのように作りだしていくか?
  • その人その人に合った道筋(選んでもらうための一定のルール)

<スポーツに参加しやすいきかっけは?>

  • スポーツに触れる場、きっかけがない
    (現在の触れるきかっけは、子供のサッカーからやママが始めたなど)
  • 仲間づくりも難しい(地元にともだちがいない?)
  • 個人の思い込み「いつでもできる」「いつかは」「まだ必要ない」が課題
  • 新しい人は既存活動にクローズな感じをもつ(年齢が偏っている)
  • ふらっと入れる施設がない(自由なプログラムや他の機能がある。予約がいらないなど)
  • 楽しくない⇒楽しさプラスするために、スポーツ×好きなもの(歴史、ショッピング)にする
  • 30代―40代世代のスポーツ。時間(昼は参加しづらい)。スポーツして来なかった人が課題
  • スポーツ(定義⇒日常の中でやることでストレスから解放される活動、時間のこと)に参加
    ウォーキングやガーデニングなどもスポーツといっていいのでは。
    意識改革⇒理念⇒新しい活動が必要
  • 既存の仕組み・既存の施設を、オープンな活動、場。多様な場。間口の広いきっかけとする
  • 地域で各種目を応援する。「クラブ」的なもの
  • 起爆剤となる方。解決への道筋を作る
  • 学校、施設の建替えに住民が参画

<学校・青少年施設をもっと活かすには?>

  • 施設の協力があれば、新しい活動を始めやすい。協力を得るには?
  • 学校を使うための指導員がいない
  • 場所の絶対数が少ない
  • 既存団体が優先される
  • 上手くいっている場所を真似て増やす仕組みがないのでは?
  • 安全が確保できない(小学校)
  • 学校を利用する際、様々な団体が使える、シェアできるルール・仕組みがない
  • 効率化が必要

b5

スポーツの参加を増やすには、スポーツの概念や参加方法、場所の利用などを柔軟にしていくことも必要なのかもしれません。

次回は、文京ミ・ラ・イ対話の第2セッション「解決策を考える」を9月に開催します。今回あがった課題を、どう解決していくのか、区民の方々と一緒に考えていきたいと思います。

文京ミ・ラ・イ対話 第2セッション「スポーツから始まるコミュニティづくり」
9月18日(水)18:45~21:00 @シビックホール会議室1,2

 


Check Also

【開催レポート】ファシリテーター養成コース

活動支援コーディネーター養成講 …